小説 | ナノ


あつい。なんていうかもうあつい。

「猛暑って言ってたからね」

隣を歩く黒のサラストワンレン様も流石に暑いみたいでシャツのボタンを3つも外して薄い胸板を披露しながらパタパタしていた。髪の毛も珍しくひとつにまとめていた。

「イルミも温度を感じる生き物だったんだね」
「名前は生き物やめたいの?」
「ごめんなさいまだ生きていたいです」

折角サマーバケーションに突入したしね!海に行く!今年は海に行く!今年も海に行く!そんなわけで今日はイルミとショッピングデート〜水着編〜なのだ☆

「なんか俺今無性に拳が疼く」
「イルミ様の拳は大切な時に取っておいて」

ショッピングモールって意外と遠い。熱くて溶けそう。とけ・・・あ、あそこに17の自販機あんじゃん。アイス買おうかな。

「そこのおねーさんたちエーケービーみたいでかわいいね、デートしようよデー…」

「なにしてんのクロロ」

私がアイスを買おうとしたところで、ナンパな声が聞こえ、振り向けばその声の主はクロロだった。後ろではヒソカが腹を抱えて笑っている。

「ヒソカが声かけてこいって言うからだな!」
「別にヒソカの言うことなんか聞かなくてもいいじゃん」
「エーケービーて!クロロがエーケービーて!あはははは!」
「イルミもポニーテールなんかにしてるから後姿なんかスタイリッシュ女子で完全に騙されたわこの男女めっ!」





「・・・は?」


「…え、あ、いや、ちがっ、ごめ、ごめんイルミほんとごめんまじごめんなんかその拳とりあえずしまって欲しい」

クロロがイルミの地雷を踏み、一気に5℃は気温が低下した。イルミの顔が般若。牙剥いてる。

「名前、今が俺の拳を爆発させる時だと思うんだよね」
「……私もそう思う」

ごめんクロロ。





ボッコボコにされているクロロを眺めながらヒソカがふるえながら「い、いいなぁ…!」と言っていて私の周りだけ気温がさらに3℃ほど低下した。ぶるっ!

20120730