小説 | ナノ


へーすけんとこから帰ると家の前で仁王立ちする弟と四つん這いのクラスメートがいた。

「え、なに。虎太郎、どした」
「さ、ささ、さとうくん…」
「こいつおれのしゃていにしてやった」
「…舎弟っていうか奴隷っていうか」

クラスメートの苗字は半べそかきながらぷるぷるしてた。

「こいつ名前!はしのしたでひろった!」

嬉々として言うこたろーに「もといたところに返して来なさい」と言ったら名前はここにいたくてここに居るんだという。

「えーと。苗字さん、どうしたんですか」
「あの、虎太郎くんにですね、誘われてここでケンケンパをしていたのですがピアスを落としまして、すっごく、すっっっっごく大切なもので、でもなくて・・・ううっ」
「あーっ!そーにぃ名前泣かした!」
「ちょ、おいやめろよ!いやでもほら俺も一緒に探すし泣きやもうねーよしよし」

ぐすぐすと四つん這いで泣くこのクラスメート…お、なんかいいかも。


20120719