(※夢小説/隣の怪物くん/名前変換なし)
「さわやか」
は、と意味不明みたいな顔で友人は私を見る。さわやか。別に静岡にあるローカルなハンバーグレストランをさしたわけでもなくつるりとそのまんまの意味だ。
「あれよ、あれ。爽やかだよねえ」
「ああ。笹原ね」
パピコを半分友達に投げて手に残ったもうひとつのパピコの封を切り口に含む。甘えな。唇にぷらぷらとパピコを挟み、揺らしながら窓の外を見る。元気だよなあ、外部。サッカーも野球もぐだぐだやってっけど笹原とその周辺だけはやたらさわやかに見える。
「我々とは無縁な人たちですよねえ」
「そうねえ。こうして放課後にお菓子を持ち寄ってコンピュータ室で雑誌なんか読んじゃって。はは。ファミレスかっつーの」
「だってここ放課後でもクーラー入るしね。涼しい。ファミレスたっけえもん」
「あいつらは放課後ファミレスとか行くのかもねえ」
「ぎゃ。きも。野球部でファミレスとかむさーい」
ははははと笑ってちゅううとパピコを吸い上げる。外では水谷雫と夏目あさ子が「ササヤンくんモテモテですねえ。あとでからかってやりましょうか」なんて言ってるなんて知らずに。
20110824