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「サニーくすぐったいよ〜」
「うるせぇ、大人しくしてろし」
「おーい、サニーちゃーん?」
「ちゃん、言うな!ちゃん!」
ただ今私はマイステディことサニーちゃん髪の毛に全身くるまれています。
今日は久しぶりの一緒の休日ということで彼は朝からべったりとこの調子だ。そういうところが可愛くて好きだというのは本人には秘密である。
(だって照れ屋だからね)
「ねぇ、そんなに私っておいしいの?」
そう、彼の綺麗な御髪は見た目に反して(?)とっても高性能。
肉眼では見えない細い触覚で色んな物を“味わって”いるのだ。
「バッ、オマ、いきなり、何言ってるんだよッ」
「だって、触覚・・・」
「だ、出してねぇし・・!」
(これは図星だな)
顔に書いてあるよ。
つくづく嘘がつけない性格だよね。
とってもかわいい。
「こ、これは蘭子のマッサージをだなっっ」
と顔を両手で覆ってなにかごにょごにょ聞こえる。
「それも嬉しいけど、私はサニーちゃんの腕にぎゅうってしてほしいよ?」
サニーちゃんの横にコロンと寝転がって、両手を広げる。
おいで〜おいで〜と視線を送る。
私の視線が通じたのか、サニーちゃんが覆っていた手を目が見えるところまで下げてこちらを見た。
「ね、ぎゅってして?」
「ん」
広げた腕の中に素直に来てくれたサニーちゃんが愛しくて愛しくて仕方がない。
温かい貴方に包まれれて、全身くまなく愛されてる私はまるでキスの嵐の中にいるみたい。
(ふふ、このままお昼寝しちゃおうか)
(ん、それも悪くないな・・・)
お題元:縁繋
Mille Baisers―千のキスを交わそう