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彼女に、蘭子に名前を呼ばれるたび、細い指が髪を滑るたび、瞳に自分が映るたび、己が深く愛されているのだと実感する。
もちろんいままで家族と呼べるものから愛されいなかったわけでもないし、愛していなかったわけでもない。けれども、彼女から貰うもの、彼女に捧げているこの感情は今までと全く似て非なるものだと思った。
「サニー・・・?どうしたの?ねむいの?」
「・・・ん」
「ふふふ・・・寝てもいいよ?昨夜帰ってきたばっかりなんだもの」
「ん・・・」
ソファーで二人でまどろむこの空間がひどく温かい。
温かい手で髪を梳かれて、まぶたがさらに重くなってゆく。
睡魔には勝てそうにもない。
「おやすみ・・・サニー」
俺は君のもの