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(一期)

シマの一部が騒がしいので、駆けつけてみれば遊星がセキュリティと決闘していた。
相手は見覚えがある、いけ好かない牛尾だ。あいつはサテライト住民をいつも蔑んでいる。
自分だって、立派なセキュリティの犬のくせに。
あっさり遊星の勝ちが決まり、牛尾は一人取り残されていた。


「はっ!ざまぁないわね、セキュリティの犬」

廃墟の上から、地上に飛び降りる。
着地地点には牛尾がいる。

「チッ、ここにもサテライトのクズがいんのかよ・・・」
「・・・この辺はみーんな私のシマよ。とっとと出ていきなさい」

牛尾のDホイに向けて足を振り上げ、重力に従いそのまま振り下ろした。
白い車体がガコンと小気味いい音を立てて凹む。


「な!なにしやがる!このクズ女!」
「クズ、クズってアンタねぇ、馬鹿の一つ覚えでそれしかないわけぇ?」


腹が立つのでその隣にもう一発踵落としで凹ませてやる。

「くそ!俺のDホイールになにしやがる!」

鉄パイプでないだけ、ありがたいと思え!


「あの子、強いのよ。アンタが逆立ちしたって勝てやしないわ」
「チッ、観てたのかよ・・・」
「えぇ、一部始終ね」
「クソ女がっ」



何とでもいいなさいよ、と仕上げとばかりに、車体の真横に一発入れて地面に倒した。


「ここサテライトで、わたし―女王―に逆らわないことね」





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