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満がサテライトに戻ってきてそのままハウスに向っていた。
ハウス到着すると、庭でDホイールの世話している遊星を見つける。
「遊星・・・もう具合はいいの?」
「満か・・大分いい・・・」
「もう、そんな顔しないの・・私なら大丈夫だから」
「でも、やつが、鬼柳が・・・っ」
「うん・・・お友達から聞いた・・・つらかったね、遊星・・・」
「・・でも、満だって・・・」
「私なら平気、遊星はみんなを、仲間を守ってあげて、ね?」
私の言葉に静かに頷く遊星の頭をひと撫でして、じゃあ、私は中にいるね、とホームの玄関をくぐって満はハウスの中に消えた。
キッチンにいたマーサに声をかける。
「マーサ、」
「おや、満じゃないか。よく来たね」
「うん・・心配になって」
「満・・・なんて顔してるんだい・・・」
マーサが優しく両手で満の頬を包んでくれる。その温もりにひどく安心する。
「どうしよう、マーサぁ、私、わたしっ、」
「満・・・」
「ふ、ぇ、っ・・く、・・・またきょうすけが、しんじゃうよぉ、・・・あの人、優しいから、ふ、」
満がたまらずぎゅっとマーサに抱き着く。子供のように泣きじゃくった。
満はあの人のことを思い出しては後悔してばかりだと思う。当時、いろいろなことを相談していたし、京介の内々の獄死の知らせを受けた時はマーサも一緒に泣いてくれた。
「あんたばっかりが背負い込むことはないんだよ・・・」
「でも、遊星も、クロウも、ジャックも、また、あのこたちっ、」
「いいさ、いまはお泣き・・」
「んぅ、っ、・・・ひっ、」
「よしよし、美味しいココアいれたあげるからね」
さんざい泣いた私にマーサがココアをいれたくれた。マグカップからカカオの好いニオイがする。
それから私は今まで自分が調べたこと、雑賀に聞いてきたことを包み隠さずマーサに伝える。
満はそのために今日ハウスまでやってきたのだ。
「そうかい・・・もし私に何かあったら、あんたがハウスを守っておくれよ」
「そんな、マーサ!縁起でもない!」
「備えはね、大事なんだよ、満」
「マーサ・・・・」
朗らかに微笑む育ての母を満はぎゅっと抱きしめた。