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―現在

私は今でも京介のことを忘れられず、ずっとあの廃ビルを塒にして、相変わらずB.A.D地区を管理する仕事をしていた。
彼のいないここはただただ静かだ。遊星やクロウともたまに会うがいまは別の場所で暮らしている。
ジャックは・・・ひとのもの盗るとかほんとバカだなアイツ。


手先の器用な遊星がまたDホイールを造りっていることは私も知っていた。
セキュリティの牛尾と決闘してるのを見かけて以来(その後負けた牛尾のDホイールに一発いれて車体をへこませてやった)、
遊星を見かけないな、なんて思っていたが、なんとその後遊星はシティにいるジャックのもとへ殴り込みに行って、不法侵入の罪により収容所送りとなったらしい(あの子の綺麗な顔にマーカーが付いてしまった)
ゴドウィンの権限でなぜか出所されられたが、それもどうやら取引があったようだ(あのくそ長官め)

そして決闘大会(フォーチュンなんたら?)を勝ち抜き、そしてキングであるジャックを堂々打ち負かしたらしい。
へえ、なかなかやるじゃないの、ジャックは今頃相当凹んでるわね、なんて話を聞かせてくれた雑賀に言う。


「まさか、遊星が満の弟分だったとはな」

流石の俺も知らなかったよ、と淹れてあげたお土産のコーヒーを飲みながら雑賀が言った。
それはそうだ、私は地下闘技場を引退してから随分経ったし、管理を任されてからは無差別に外で暴れまわることもほとんどなくなった。
マーサには仕送りを送っていたので彼女は知っているだろうが、あの弟たちは私が一時期裏社会に出入りしてたことなんて露ほども知らないだろう。
(あ、仕送りの金はちゃんとしたファイトマネーでまっとうな金です)因みに雑賀とはその頃からの知り合いだ。こうしてたまに来て貰って外の情報を仕入れている。


「それで、あの黒づくめのやつらなんなの?」

ここ数日、黒いフードをかぶった怪しげな男たちが、サテライト住民を唆す口調で宗教?の勧誘してまわっている。
住民たちもそのまま黒づくめのやつらにサテライトの奥に連れられていなくなっている。
そのせいか私が住処にしてるこの地区でも、最近やたらと視線を感じていた。


「あっちについては俺も調査中だ」


怪しいニオイしかしねぇけどな、と雑賀の意見には同意だ。

サテライトは、この町は、何か大変なことに巻き込まれているような気がする。






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