皆さんこんにちは。
このアパートの大家をやってる松風天馬です。
ここの大家には他とはちょっと違って月に一度住人の意見を聞いて回るという仕事があります。
丁度今日がその日なので、これから皆さんのお部屋を回りたいと思います!






*101号室

天「つーるぎっ!」
剣「…仕事しろ」
天「今してるよ!」
剣「……じゃあ黙れ」
天「うわぁひっどーい!同居してるとは言え一応剣城もここの住人だから意見聞きに来たのにー!」
剣「あぁもううるせぇ!折角チビ共寝かしたのに起きちまうだろ!」
シュ「ママもうるさいよ〜」
白「究極に目が冴えたぞ!!」
夜「ん〜…白竜が一番うるさい…」
剣「ほら見ろ起きちまったじゃねぇか!って言うかママって呼ぶのいい加減やめろ!」
シュ「えー…」
夜「ちっ、つまんねー…」
天「とにかく!剣城!何か困ってることとか!俺に何か言いたいこととか!俺への愛とか!何かしらあるでしょ!?」
剣「強いて言うならこの環境…」
天「はい!剣城は悩みなしっと!じゃあ次の部屋行ってきまーす!」
剣「……………」
白「俺は究極にお前をママなんて呼ばないぞ剣城!!」
剣「……今だけはお前が天使に見える」



*102号室

天「神童せんぱーい」
ピンポーン
天「先輩ー神童さーん」
ピンポンピンポンピンポン
天「…あっれー?留守かな?鍵は…おっ、開いてるから入っちゃおっと。お邪魔しまーす」
拓「……、…」
天「なーんだ、いるじゃないですか〜!神童先ぱ…」
拓「………りたい、…帰りたい、帰りたい帰りたい帰りたい………」
天「えっ…、あの〜…」
拓「うわああああん美味しいご飯が食べたい!広い部屋で寝たい!両親に会いたい!家に帰りたい!!!」
天「ええええ!?ちょ、神童先輩落ち着いてください!!」
拓「……はっ、天馬…?」
天「どうしたんですか!?いつもと全然様子が違うんですけど…」
拓「あぁ、すまない気にしないでくれ。…軽いホームシックだ」
天「軽いんですか!?俺には重症に見えますけど!!」
拓「はは…、随分見苦しい所を見せてしまったようだな。…ところで何か用か?」
天「あっ、そうだ忘れるところだった!神童先輩、このアパートについての意見とかありますか?」
拓「意見?そうだな…意見と言うよりちょっと気になっている事なんだが、……夜になると隣の103号室から暴れているような物音が聞こえるんだ…」
天「ええっ!?それってまさか…」
拓「そう、そのまさか…俗に言うドメスティックバイオレンスだ」
天「えっ、そっちなんですか!?俺はてっきりお化けかと…」
拓「?人が住んでるのにお化けがいるわけないだろう」
天「あー!そうか成る程!さっすが神童先輩頭いいーっ!そこにシビれる憧れる!」
拓「あはは……兎に角、天馬の方からも注意してやってくれないか?」
天「わかりました!では早速隣の103号室に行ってきまーす!」
拓「あぁ、よろしく頼んだぞ。…………………はぁ、帰りたい……」



*103号室

天「霧野先輩ーいますかー?」
蘭「ん…天馬?どうした?」
天「今皆さんにこのアパートについて意見聞いてるところなんです!霧野先輩は何か困ってる事とかありませんか?」
蘭「困ってる事か…言っていいのか分からないが、隣の104号室…夜になるとちょっと…ええと、ほら…大人の…」
天「あー、源田さんたちラブラブですからね〜」
蘭「本当、羨ましい限りなんだがちょっと声を抑えてほしいな…それで狩屋も興奮しちゃって…」
狩「なーにやってんですかぁ先輩」
蘭「!!」
天「あ、狩屋!」
狩「おっ、天馬くんじゃん。うちの霧野さんに何か用?」
天「むしろ用があるのは狩屋の方なんだけど……まぁいいや、ちょっと狩屋来て!」
狩「うわっ!…おいおい、なんなんだよ急に」
天「…狩屋、霧野先輩に暴力奮ってるの?」
狩「はぁ?…それどこ情報?」
天「神童先輩が、夜になると暴れてる音が聞こえるからDVの可能性があるって…」
狩「ふーん、…神童先輩か……」
天「で、どうなの?」
狩「はぁ、やってるわけないだろ?だいたい、俺たちがラブラブなの天馬くんも知ってるでしょ」
天「うーん、確かにそうだけど…」
狩「きっと神童先輩の思い過ごしだよ。あの人、たまにホームシックでおかしくなるし」
天「そうなのかなぁ…」
狩「そういうことで、じゃあ俺は部屋戻るよ」
天「あ、うん!霧野先輩にもありがとうございましたって伝えといて!」
狩「はいはい」
天「よーし、次で1階はラストかなー」

狩「……………神童先輩ねぇ…」



*104号室

天「源田さーん!」
源「……誰だ?」
天「松風です!意見聞きに来ました!何か困ってる事ありませんか?」
源「特に無いな……あ、そうだちょっと頼みたい事があるんだが…いいか?」
天「はい、俺に出来ることであれば!」
源「女湯の方、誰も使ってないよな?」
天「えっ?あ、はい、今のところ女の子は一人もいませんからね」
源「頼む、照美を女湯の方で入れるようにしてくれないか?」
天「別にそれは構いませんが…って、照美さんって女の人だったんですか!?」
源「いや、違う。違うんだが……もしお前が風呂に入ってる時、剣城が髪下ろして胸までタオル巻いた姿で入ってきたらどうだ?」
天「勃ちます」
源「だろ?……そういうことだ」
天「わかりました、じゃあ今夜から入れるようにしておきます。それにしてもよく今まで我慢してこれましたねー」
源「それはまぁ……深くは追及しないでくれ」
天「えっ…?わ、わかりました…。あっ、照美さんにも伝えたい事があるんでちょっと替わってもらえますか?」
源「あー…悪い、今は無理だ」
天「へ?どうしてです?」
源「……それをお前が聞くのか?」
天「あ…、す、すいません…」
源「俺が聞いてもいい内容なら俺から伝えとくが…」
天「うーん、いいのかな…えーと、夜の…何て言うかその、営み?…の声がお隣にも聞こえているらしいのでちょっと抑えてくださいって…」
源「あぁ…すまない、次からは気を付けるよ」
天「いえ、こちらこそなんかすみません…。ラブラブでとっても羨ましいです!」
源「はは、ありがとう。なんか照れるな…お前も頑張れよ」
天「はい!ありがとうございます!では次の部屋に行くので失礼しますー」
源「あぁ、お疲れ様」


天「よし、次は2階だ!」










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