弾けてしまった



SSL



夏はとにかく人のテンションを上げる季節じゃん。何を血迷ったのかその場の雰囲気と溢れ出した感情でついつい叫んじまったんだよな。



「・・・・ちっ、千鶴!好きだ!!!」



今はまだ幼なじみの関係でいいや!って、部活に進路に青春に。高校生は忙しいから恋愛よりも友情とか、友達とふざけあったりイベントは剣道部やクラスメートと騒いだ方が楽しい奴だからさ、我慢してたんだよ。

なのに・・・

「今日父様も薫もいないんだ。平助君夕飯食べに来ない?」

ドサッ・・・

千鶴の部屋でふざけあってつまづいて馬乗りの状態になってむこうも顔真っ赤にするもんだからさ・・・

(やべ、超かわいい・・・・)

告白しちゃたんだよ。

で、答えはNO・・・・・







********

「死にたい・・・・・」

「ここの屋上じゃ死ねないから東京タワーでも登ってきなよ」

となりの親友S司君は俺に対していつも冷たい。

「そうだな・・・学校の屋上じゃ死ねないよな・・・俺、死んだら花になりたい・・・蜜蜂が勝手に受粉してくれるじゃん・・・恋愛しなくていいじゃん・・・・・・」

「あ、末期だ。ていうかもしかして平助千鶴ちゃんに・・・・」

「え・・・や、その・・・・」

まずい。総司も千鶴の事好きなんだ。かなり本気で。こいつはマジになるとやっかいで周りが見えなくなる危険な奴だ。

「・・・・・・・・千鶴ちゃんなんて返事したの?」

「『ごめんなさい』の一言」

「・・・・・・・・・・・・・そう」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







*********

夜。


部活と精神的ショックでボロボロな俺は帰宅した。

「おかえりなさい・・・・」

「千鶴っ!?」

俺ん家の門の前に立ってたのは昨日俺をフった幼なじみ。バツが悪そうに門に寄っ掛かって、どうやら俺を待ってたみたいだ。

「ぶっ、部活おつかれさま・・・」

「あ、うん」

ミニのショーパンに薄手のキャミソール姿のラフな部屋着は千鶴の細さと女の子らしさを際立たせた。相変わらず可愛いくて悲しくなった。

「んな薄着で夜出歩くのは危険だぞ・・・」

「ん・・・・」

何を話せばいいんだ。気まずくて息ができねぇよ。

「じゃあ・・・おやすみな・・・」

「あっ、待って平助君!ちょっと・・・お話したいの・・・・」

「はなし・・・」

嫌な予感しかしねぇぇ!!

「あの・・・私昨日の事ちゃんとワケを話したくて」

理由とか聞いたらマジで俺自殺しそうだよ。千鶴の事に関してはメンタル弱いから。

「昨日は断っちゃったけど、私平助君の事、小さい頃からずっと好きなの!」

「へ?」

「平助君は来年から三年生になるし、受験とか剣道も忙しくなるしそうなるとこっ、告白するのは高校卒業まで我慢しようと思ったけど!考えたら高校卒業してから大学生活も忙しくなるしそれにもし平助君に好きな人ができたらとかっ・・・、遠くに行ったりとか考えたらっ!!」

ボロボロボロボロ大粒の涙を千鶴は流す。愛おしいなんて思う暇もなく身体が動いて抱き締めた。


「私も平助君の事好きなの・・・告白されて嬉しかったの・・・」

「うん・・・・・・」


なんだなんだ。両思いだったんだ。俺千鶴と付き合えるんだ!千鶴も俺の事好きなんだ!!

ほっぺにキスしていいか了承を得て真っ赤な千鶴の頬にキスをした(唇はまた今度)
千鶴は俯きながら笑ってた。
この事を総司が知ったら一発ぐらい殴られるかもしんねーけど親友の失恋を慰めるのも親友の俺の仕事だ。とりあえず今は幸せを噛みしめていよう。






うっかり弾けてしまった俺の夏はまだ始まったばかりだ




裏で総司失恋してしまいます。悲しい悲しい悲しいから失恋とかシリアス死ネタ苦手なんだよ私。

これから色々彼等は一悶着あるのだと思います。夏と青春と高校生をテーマにしたお話でした。



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