キラキラ



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薄桜学園の男性教諭は(てか教師は男しかいない)一部、容姿がズバ抜けていて、島原女子高の生徒にも密かなファンがいるくらいです。


「薄桜学園の原田先生ってほんとかっこいいよね〜ちょっと遊び慣れてそうだけど―」

「でもそれがいいんじゃない?『禁断の恋』に付き合ってくれそー」

「えー私は断然土方っていう先生のほうがタイプー芸能人みたいに顔整ってるじゃんもうヤバイ〜」

「原田先生だって芸能人並みの容姿じゃん!愛想がいいっていうかとにかくあのフェロモンぶちまきながら歩いてるのは鼻血もんよ!」

「まぁ土方先生はちょっと・・・いつも恐い顔してるけど・・・でも色気なら土方先生も負けてない!」

「まぁなんだかんだで・・・」

「「両方イケメンだよね〜〜」」



********


そんな学園に通っている学園唯一の女の子は今日も大変です。

「千鶴はマット運動苦手だな」

「すみません原田先生・・・運動は苦手で・・・身体も固いですし・・・・」

「んなしょげんなよ!俺が手とり足とり教えてやっからよ」

「はい!よろしくお願いします・・・・」

今やっているのは『開脚後転』です。原田先生は千鶴ちゃんの身体を支えながら優しくレクチャーします。

「まずしゃがみこんだ体制で、手のひらは耳の横。勢いよく後ろに転がれ」

「その転がるのが怖いです・・・」

「俺が受け止めてやるから身をまかせろ。な、千鶴」

「はい・・・」

千鶴ちゃんは優しく微笑む原田先生を信じ勢いよく後ろに転がりこみました。

ゴロン!!

「きゃっ」

ですがバランスを崩し、回らず失敗してしまいました。

「あう・・・」

「あ〜背中痛めてねぇか?」

「はいぃ・・・」

千鶴ちゃんはマットに寝転がったまま返事をします。

「ゆっくりスローでやってみっか」

背中を支え、原田先生は千鶴ちゃんをマットに押し倒していきます。

「で、ここで素早く脚を広げていって・・・」

原田先生が千鶴ちゃんの脚を掴み広げていきます。広げた所で原田先生は何故だか、わざわざストップします。

「脚は此処まで広げねぇと回りきれないからな!」

「あっ、あのっ」

端から見たらとても卑猥な場面を想像してしまうポーズです。こんな体制に耐えられない千鶴ちゃんは原田先生に呟きます。

「原田先生、恥ずかしいです・・・」

「ん?だぁいじょうぶだよ俺以外誰も見てねぇって!」

そう、今日は男子はグランドでサッカーです。女子一人な千鶴ちゃんは男子と体力差があるため大抵一人で個人授業です。そのため原田先生は男子と女子を行ったり来たりなのですが・・・・

「いえ、そうじゃなくて・・・」

「千鶴ほら・・・ここもう少し脚伸ばさなきゃな」

「あっ・・・」

原田先生が千鶴ちゃんの太ももを掴み、さらにグイッと脚を大きく広げました。その瞬間――

パコーーーーーン!


「はらだぁ!何やってんだテメェ!!」

何か本のような物を丸めて殴って来たのは古典の土方先生でした。

「いってぇ・・・何って教育的指導だよ。マット運動なんだからよ〜」

「アホか!!どっからどうみてもただのマット運動には見えねーよ!」

「んな見え方しか出来ねえ土方さんこそ問題なんじゃねーか?」

「問題あんのはテメェだ!!!!!」

「あっ、あの原田先生!手を・・・」

千鶴ちゃんの太ももに添えられた手は会話中ずっとそのままでした。

「おっと、すまねぇな千鶴」

すんなり手を離す原田先生。ですが最後に名残惜しく一言。

「しっかし、ブルマじゃねーのが残念だぜ・・・」

「とりあえず黙っとけ」

「?」

薄桜学園の体操着はジャージです。千鶴ちゃんは1年生なので赤いジャージを着ています。ちなみに、今日のファッションは上は白のワンポイントTシャツに下は学校指定の赤いジャージの短パンです。

「にしても千鶴は細っこいなぁー体力大丈夫か?」

「あ、やっぱり日々色々体力の差は感じてます。」

「薄桜学園は体育会系の集まりだからな」

「よし、千鶴俺もトレーニング付き合ってやるよ」

「え・・・・・」

「土方さん時間大丈夫なんかよ?」

「今は授業ないからよ」

「あの土方先生トレーニングじゃなくて普通の体育の授業ですが・・・・」

「まずはストレッチだな」

「あの、えっと」

「ほら、千鶴ちょっと寝っ転がってみろ」

「ええ!」

「ほらほら」

なにやら土方先生も何かのスイッチが入ったのでしょうか?先程勢いよくツッコミをかましていた時とはえらい違いです。
ですが先生には逆らえない千鶴ちゃんは素直に従います。

「こうですか・・・?」

仰向けにマットの上に寝転がる千鶴ちゃんは少々頬を赤らめまるで硝子の中の棺に収まる白雪姫のようです。
その瞬間、二人の先生の目つきが変わったのは明らかでした。

「最近は物騒だからな、護身術でも教えるか」

「だな。千鶴は狙われやすい危険だ」

「護身術・・・」

「まずこうして襲われた時、」

何のちゅうちょなく原田先生と土方先生は千鶴ちゃんに覆い被さります。

「あ、えっ」

「こうして押し倒される可能性もある。」

「あの」

「あぁ、そして向こうはナイフかなんかでおまえを脅す。『可愛い顔に傷をつけたくなければ言う事を聞け』」

「土方せんせ・・・」

「『楽しい事してやるよ』」

「原田せんせ、ちょ」

上から覆い被さり見つめてくる教師二人はとんでもないキラキラオーラを放って護身術指導をしてきます。

「あのあのあのっ・・・」

「『へっへっへっおじょーちゃん可愛いなぁ』」

「きゃっ」

あろうことか犯罪者になりきる二人は打って変わってただの「犯罪者」もう護身術を教える先生ではありません。犯罪者二人は千鶴ちゃんの頬をなでながら3センチ程の距離で話します。

「『その可愛いお洋服脱がせてやるよ』」

「いやああああああーーーーーーーー!!!誰か助けて下さいいいい!!」

千鶴ちゃんのTシャツに原田先生が手をかけました。その時です。

キーンコーンカーンコーン


授業終了のチャイムが鳴りました。

「あ、ヤベ」

魔法が解かれたかのように二人は我にかえります

「俺達は教師だ」

「あぁ、教師だな」

「一線は卒業までは守る。」

「あたりまえだ」

「よし!千鶴授業終わるぞ」

「昼休みか。」

こうして、二人は教師としての一線を守り千鶴ちゃんは無事に乙女を守りました。


「なんなんですかあああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーー!!!!!!」







小話なのに無駄に長くわけわからんオチになりました。駄作です。タイトルの「キラキラ」は当初土方先生と原田先生の無駄な色気と口説きに千鶴ちゃんがどぎまぎする話の予定でした。最初の島女達の会話はその名残。またチャレンジします。



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