もういっかい



泣くなよ また会える
きっと

約束だ

先に行くね

幸せに暮らせよ

ずっと見ててやるかんな











むらっ

きむらっ

「ゆめ・・・・」

「雪村!!!」

「はひっ!?」
ビクッ!!

「お前・・・俺の授業中に寝るたぁ良い度胸してんな・・・」

机から起き上がると、気が付いたら土方先生の鬼のような怒った顔が目の前にあった。

ひいいいいいっ土方先生怒こってる!

「放課後職員室来い」

キーンコーンカーンコーン

あぁなんて最悪な金曜日・・・
今日は早く家に帰ってゆっくりするつもりだったのに―――


「ふーん。で、土方先生に見つかってこれからお説教なんだ?珍しいな〜千鶴が授業中に居眠りなんて」

「うん・・・・」

「大丈夫だよ千鶴ちゃん。土方先生のお説教なんて聞き流しとけばいいんだから。」

「それは総司だけの技だろー」

「土方先生の言う事は聞く価値のあるとても為になる言葉ばかりだ。雪村・・・良い機会だ。ありがたく聞くといい。」

「は、はい・・・」

「一君気持ち悪いよ。お寺で法話聞くんじゃないんだからさー」

「一君信者だから」

いいなぁ いいなぁ心がぽかぽかしてくる
なんでだろう?


「おー千鶴ぅ〜授業中居眠りしてたんだってな?土方先生に聞いたぞ〜」

「はっ、原田先生!?」

もう耳に入ってるの!?

「珍しいな千鶴ちゃんが居眠りなんて!俺の授業中なら見逃したんだがな〜」

「しんぱっつぁん女子ヒイキ〜」

「千鶴ちゃんだからな!甘やかしたくなんだろ」

「おい新八」

「うお!土方さん!いつの間に背後に!?」

「雪村、放課後はもういいから今ちょっと来い。」

「え」

「あー千鶴ちゃんさらわれたあー」

「千鶴がんば〜」

「うん・・・・」
ひいいいいい(泣)




――――

連れて来られたのは進路指導室。と言っても今はほぼ資料部屋になっている。
古いボロボロのソファーにテーブルを挟んで互いに土方先生と座った。

「説教はしねぇから。安心しろ」

「え・・・」

「お前が授業中に居眠りなんて珍しいからな・・・なんかあったか?」

あ・・・お説教じゃないんだ・・・
良かったぁ〜

「いえ・・・悩み事とかはありませんよ?学校も楽しいですし・・・」

「それならいいんだが・・・お前はこの学園たったひとりの女生徒だからな・・・・」

あれ・・・またなんかあったかい・・・
それと・・・デジャヴ?

「どうした?」

「いえ・・・」

そう言えば、さっき見た夢・・・
あれもあったかくて・・・泣きそうになった


「まぁ・・・お前の居眠りなんざ総司や平助に比べれば可愛いもんなんだがな・・・」

沖田先輩の土方先生の時の授業態度は授業じゃないって平助君が言ってたな・・・(でも平助君もよく居眠りするみたいだけど)

「まぁ・・・一番乗り問題は風間の野郎だがな・・・・頭がいたくなる」

「あの人はいくつなんでしょう?」

「俺が教師になる前から居るよ。不明だ」

風間・・・生徒会長・・・
なんだか生徒会長ってあまりしっくりこないなぁ・・・ふふっ

「どうしたいきなり笑って」

「えっ、あ、いえなんでもっ」

ふぅ〜あぶないあぶない。
変な子だって思われちゃう。

「風間の野郎については近藤さんと毎年の問題だからな」

近藤学園長・・・
前にちょっとだけ話した事ある。優しくてあったかい人なんだよなぁ〜

あ、またぽかぽかしてる。

「まあ・・・この学園で何も嫌な事がなければいいんだ。特別扱いは出来ねぇがそれなりの配慮があるからな。辛い事があったら言えよ」

「はい!ありがとうこざいます。土方さん!」

「あ?お前な・・・"先生"付けろ」

「あっ・・・!すみません!ごめんなさい!」

あれ〜?あれ〜?私どうして今土方先生をさん付けで呼んだんだろう・・・?
でもやっぱり身体が凄くあったかくて・・・嬉しさがこみ上げてくる感じ?変だなぁ・・・


「千鶴ー説教終わったかー?」

廊下に出ると少し遠くから平助君と沖田先輩と斎藤先輩と原田先生と永倉先生が待っていてくれた。

「うん!でもお説教じゃなかったから大丈夫だよ」

「えーなんだそれーやっぱ土方先生千鶴ヒイキだよなー」

「ヒイキじゃなくて女子扱いしてんだよ。ここじゃあ千鶴一人じゃ何かと窮屈だかんな」

「平助!誰がヒイキだと!?」

「ぎゃあ!土方先生出てきた!」

「土方せんせ〜千鶴ちゃんにいやらしい事しなかったでしょうねぇ?密室で」

「するかバカヤロー!総司テメェは・・・」

「ふふふっ」

「?千鶴ー?どうした?いきなり笑って」

「ううん、何でもないの!」

「左之さん!しんぱっつぁん!放課後なんかおごってよー俺腹減ったー!」

「さっき飯食ったばっかだろ」

「僕焼き肉か回転寿司でいいですよ土方先生」

「何で今さらっと俺を入れたんだよ」

「しゃーねーな!ファミレスぐらいまでなら連れて行ってやるよ!俺ら先生三人のおごりだ!」

「おい左之勝手に決めんな!」

「しゃーー千鶴!千鶴も行くよな!」

「え、でも・・・」

「わーったよ!ただし!少しは気をつかえよ?特に総司!テメェ特上サーロインステーキセットとか頼むなよ!はっ倒すかんな」

「わかりました。お言葉にあまえてそうします」

「気ィ使えっつってんだろがあぁぁぁぁ!」

「おーれなんにしよっかなあ!」

「俺は今月ピンチなんだよ・・・」

「新八テメェはいつもだろ。」

「千鶴は特別にデザート注文していいからな♪」

「えっ!ありがとうございます!!」

「左之さんはあきらか千鶴ヒイキだな」

「千鶴は可愛いからなー」

「ええええ!!」

「原田あ!口説くな!」



時は変わっても 形が変わっても 心は変わらないから――

またもういっかいの想い出を重ねよう



ただいまとおかえり





ノーマルルートの転生パロ。でも記憶なし。千鶴ちゃんだけが夢にみるぐらいのうっすらさ。他はなんとなく懐かしいようなみんな引き寄せあっちゃう感じ。千鶴ちゃんがあったかくポカポカしてるのは無意識の嬉しさ。
小話なのに長!



戻る

TOP


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -