夕暮れ時の浜辺



なんちゃって☆浦島シリーズ



「おいしいっ〜なんですか?これ」

「柿だよ。果物」

「甘くておいしいです!海にはないので。はむはむ」

「よしよし、たんまり食って育てよ」
ぽふっ。なでなで

「はい!」
ムシャムシャ

「歳三さん!」

「なんだ?」

「遊びに行きたいです!」

「またか・・・・俺は仕事あんだよ。」

「仕事?」

「こう見えても漁師だ。」

「はう!ととと歳三さん漁師なんですか!?」

「ああ。だが安心しろ。お前の竜宮城の仲間達とやらは捕まえねーよ(多分)」

「そうですか・・・良かったです。」

「ま、そんな訳でお前とは今は遊べねー」

「とっても暇なんですぅ・・・近所の子供達は遊んでくれないし・・・」

「お前・・・言っとくがお前の今の姿は変人以外の何者でもないからな。近所の餓鬼らにとっちゃ甲羅付けてる時点で『ちょっと頭のおかしなお姉ちゃん』だからな。」

「甲羅は亀一族の誇りです!」

「わかったわかった。」

「遊んでくださいぃ〜お暇ですぅ〜」
ゴロゴロゴロゴロ

「ゴロゴロしたらまた起き上がれなくなんぞ」

ゴロゴロゴロゴロゴロンっ!

「っきゃ・・・あ、ちょっ・・・歳三さん起こして下さい。」

「それみろ」

亀千鶴ちゃんは大きな甲羅を背中に付けている為、一度仰向けに寝転がると甲羅が不安定で自力では起き上がれません。なのでその度歳三さんが手を引っ張って起こしてくれます。

「だって海は重力関係なかったので・・・・」

「とにかく俺は漁に行ってくる。」

「だめですぅ〜」
むぎゅーーーー

「こら。ひっつくな!」

「さみしいですっ!」

「ほら、あれ。折り紙とかお手玉とか買ってやったろ。あれで遊んでろ。遠くまで行かなきゃそこらの浜辺で遊んでてもいいし」

「夕暮れ時の一人はさみしいです」

「なんだ年寄りみてーな事言うなよ」

「それが嫌なら私も連れて行って下さい!」

「お前・・・海の仲間が釣られていくんだぞ?見てて平気か?」

「やっぱいいです」

「それがわかったら・・・・」

「やですぅ〜〜!ひっ、一人にしないで下さい!」
ぎゅーーぎゅーーぎゅーー!!

「・・・・はあ〜わーったよ・・・今日だけだぞ?」

「はっ、はい!有り難う御座います!!歳三さん!」
スリスリスリ

「ったく・・・えらい嫁さん貰っちまったな・・・」なでなでなで

「それは歳三さんが浜辺で無理やり・・・・」

「千鶴。何して遊びたいんだ?」

「おままごとがいいです!」

「そうか・・・(なんでこいつは幼稚な遊びしかしねぇんだ14.5歳の娘ならもっと他にあんだろ)」

「私が奥さんで!歳三さんが旦那さんです!」

「そのまんまじゃねぇか。わざわざままごとでする必要ねーだろ」

「いいんです!じゃあはじまりはじまり〜あなた!おかえりなさいです!」

「おお、ただいま・・・」

「隣の山田さんの奥さんがお宅の旦那さんは格好いいわねって褒めてました!」

「まぁ・・・山田さんは長い付き合いでよくお互い助け合ってるしな・・・」

「今日・・・・歳三さんも若い頃は結構な遊び人だったとおっしゃってたんですがどういう意味ですか?」
ボソリ・・・

「ん?」

「私のはじめては歳三さんですが歳三さんは違うんですか?」

「は?おまっ、そこ探るためのままごとかよ!つうか男はみんなそんなもんだよ。」

「わ、私以外の女の人にもあっ、あんな事したんですか?」

「昔の話だ。」

「うう・・・・ぐすっ・・・」

「!?ちづっ?」

「嫌ですぅ・・・ぐすっひっく、私だけにしてくださいぃ〜」

亀千鶴ちゃんは歳三さんの袖をくいくいと引っ張りながら涙を拭います。

「悪かったな。だが今愛してんのはお前だけだ。気持ちこもってんのも生涯お前だけだよ」

「私が一番ですか?」

「ああ・・・」

「なら昔のその女の人達は可哀想です」

「お前な・・・その女の人達は遊廓・・・いやなんでもねぇよ。向こうも本気じゃなかったんだよ。お互いただの遊びだ」

「?遊廓?よくわからないですけど誰も傷付いてないならいいです。」

「あぁ、そうしてくれ」

「えへへ・・・歳三さんに『愛してる』って・・・きゃあ〜〜」
スリスリスリ

「嫉妬のためのごろつきだったんか・・・」
なでなでなでなでなで

「いえ、遊びたかったのは本当です!夕暮れ時はほんとにさみしいんです。なので今度はお人形が欲しいです!」

「ふざけんな」
デコピン

「あたっ」



浜辺に住む浦島さん家は今日も平和です。



ラブラブです。亀千鶴ちゃん可愛いいい〜〜〜はぁはぁ(^q^)
なんちゃって☆シリーズは今度も続いちゃいます。

つづきいっしょに寝ましょう




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