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彼は変態でした(風間編)


『嫁観察日記』




今日も我が嫁は人間共の下で働いている。純血な鬼の血を受け継いでいるにもかかわらず必死にあやつらの汚らわしい洗濯物を干している。
だが何事にも一生懸命な妻も愛らしいものだ。初めて見た時はまだまだ幼かったが最近は顔付きが少女から大人の女へと変わる瞬間が見えてきた。初めて会った時から年月が経っているのもあるがふとした時に見せる凛とした表情は島原のどの花魁よりも美しく気高い。さらに最近はブツブツブツブツ






こんにちは。千鶴です。風間さんがなにやら今日も屯所に来てブツブツ言いながらこっちを見てきます。
最初は土方さん達も追い払ってましたが私を観察する以外なにも被害がないので土方さんは「放っておけ」と言っています。とんでもないです。はた迷惑です。大抵最後は不知火さんと天霧さんが無理やり引っ張って連れ帰っていきます。
監視されるというのは気持ち悪いものですね。最近は監視されるだけではなく私の部屋に勝手に入って私物を盗まれます。盗まれる物は手ぬぐいや髪紐やら使用済みの身に付けたりするものが多いです。そしてその変わりとして盗難後に高価な着物や鼈甲の簪なんかが置かれてたりします。高価過ぎて困ります。私はこんな毎日が続いて最近疲れ気味です。


「ハァ――…」

「どうした我妻よ。」

あ、こっち来ちゃった。「どうした」ってこのため息の原因はあなたなのですが。

「いえ、何も・・・」

「ふっ、無理をするな旦那であるこの俺に会いたくて仕方なかったのだろう」

この人ほんとめんどくさいなぁ・・・

「いえ、そうでなくて・・・」

「遠慮はいらん。熱く抱きしめてやる」

「話を聞いてってきゃっ!ちょっ、やあぁっ」

風間さんが抱き締めてきた。

「照れるな。可愛いがってやる」

「たっ隊士の方に見られてしまいます!離して下さい!」

「いいだろう。夫婦なのだからな」

「良くないんです!面倒な事にっ・・・」

「その時は俺がその隊士共を斬ってやろう。」

あーーーやだやだほんと話聞かないなぁこの人。

「千鶴・・・」

風間さんが耳元で囁きながら髪にキスをしてきた。

「きゃっ!?ちょっ・・・」

さすがにこれには照れてしまい私は真っ赤になる。すると「占めた」とニヤニヤと嫌な笑みを増して風間さんは私の顔にキスの嵐を降り注ぐ。

「初な・・・」

「ん・・・だめです」

やだやだ
嫌なのに顔がどんどん真っ赤になってくるのが自分でもわかる。私もしかして・・・・・

ちゅ、ちゅっちゅ、・・・
「千鶴・・・」

「風間さん・・・・もう・・・」

スーハァーー、スーハァーー、クンクンクンクン

「・・・・・・・・・・・あの・・・風間さん、何してるんですか?」

「匂いを嗅いでいる。」
キッパリ

におい?
って私の?えっ、やだ!気持ち悪い!何この人!?

「やっ、嫌です!止めて下さいよ!!」

「スーハァーー、スーハァーー俺は臭いフェチだ。」

ひいいいいいい!!なんだかとんでもない事をカミングアウトされてしまった!
性癖暴露して来たこの人!
どう対応すればっ・・・!?

「わ、私でそういう事するの止めて下さい!気分が悪いです!」

「なら島原で別の女を抱けとでも?」

「え・・・・」

あれ?何だろう・・・なんかちょっと、それはモヤモヤする・・・

「妻公認の浮気なら存分に楽しんでくるが?」

どうしたんだろう私・・・
なんだか・・・・すごくそれは・・・・・・・

「嫌です!!」

あ、出ちゃった。

「ほう・・・」
ニヤニヤ

あ、まただこの嫌な笑い。

「見ないで下さい・・・」

「涙ぐんでいるぞ」

そう言って風間さんは私の目尻に優しく口付けた。

「安心しろお前以外の女は抱かん。こう見えて俺は一途だからな・・・また明日来たとき手みやげに甘いものでも持ってきてやる。」

そう言って風間さんは屯所を去っていきました。
一時の気の迷いか、はたまた本気の恋か・・・

そう遠くない未来に私はあの人のお嫁さんになっているかもなんてまだ少しパニック状態な頭でぼんやりと考えてしまいました。



『嫁観察日記』



END


風間さんを臭いフェチにしてみる。
左之さん編から1ヶ月ぐらい空きました。すみません。
そして風間さんのお話はなんだかまとまりがないというか変態度がヌルイですね。
でも千鶴ちゃんの私物持って帰ったりは変態に入るよね?私の頭はマヒしておりますので皆さんに確認。
そしてまさかの千鶴ちゃんが恋心に芽生えてしまう。たまにはいいかな。
さてさて、次回は変態シリーズラストです。
鳥を飾るのはあの方!




今回はお題サイト様からお題はお借りしていません。

6.20訂正。
冒頭の風間さんのぼやき。意味を間違えて書いた文がありましたので訂正致しました。
「禿」→「花魁」


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