新婚生活 1/1
※「嫁入り」の続きです。
俺の家、土方家に嫁いだ今日から俺の嫁、土方千鶴(旧姓:雪村千鶴)。まだ14歳。
最初見合いを聞かされた時、相手がかなりの年下でまだガキだろうと戸惑っていたら見合い当日、千鶴はどうやら昔から俺の事を知ってたらしく、俺に好意を抱いていたらしい。
話してみりゃあ俺のために12の頃から花嫁修行していたとかなんとか…するとどうした事か、急にこの子供が愛おしく見えてきてしまい、今はたった一人の可愛い俺の嫁さんだ。
あの見合いの日から三週間後、千鶴は嫁入りの準備をし、こうして今日から土方家に嫁いできた。
「さて、引っ越し作業も終わったし親戚もみんな帰ったし、晩飯にするか」
「はい!美味しいご飯作らせて頂きますね!」
嫁に来たって言っても、土方家の両親は二人とも他界したためこの広い屋敷には俺と千鶴の二人きりなのだ。
俺は千鶴の飯が出来上がるまで茶の間で結婚についての句を考えていた。
ととととと…
すると廊下から猫が小走りするような控え目な足音が聞こえてきた。
「あ、あの歳三さん…」
「ん?どうした?」
「あの、お味噌汁を作ったのですが味見をしていただけないかと…」
「ああ」
そっと千鶴は小皿に入った味噌汁を俺に手渡した。
ズズッ…
「どうですか…?」
「うまいな。ちょうどいい」
「!!ほんとですか!?良かった…あっ!熱さの好みはありますか?」
「俺は熱々が好きだな」
「はい!かしこまりました!あともう少しで出来上がりますのでもう少々お待ち下さいね」
「あぁ」
どうやら俺の好みの味を作ろうと頑張っているらしいな…
腹いっぱい食わせてもらうか。
夕飯が出来上がり、俺と千鶴二人で食卓を囲う。
夕飯は芋の煮転がし、さんま、たくあん、大根の味噌汁、白米
「うまいな」
「あぁあ有り難う御座います!!たくあん…どうですか…?」
「俺好みだ」
「えへへ…」
まぁ幸せそうな顔してやがる…千鶴を見てるとなんだかむず痒くなる。
夕飯も終わり千鶴が沸かした風呂に入り終わって、今は千鶴が入っている。
「初夜か…」
普通の新婚夫婦ならあたりまえにこのあと夜の営みなんかをするんだろうが…
なんといっても千鶴はまだ14。俺と倍の年齢差だ。
最初会った時、俺は千鶴の事を見てそういう知識があるのかわからなかったが実際はどうなのだろうか?
普通は母親や周りの人間なんかが教えるようなものだろうが千鶴は母親は幼い時に無くしているし、いいとこのお嬢さんな千鶴にあの環境にはそういう事を教えてくれる奴なんかはいなさそうだ。
さて、どうしたものか…
「ふぅ〜」
千鶴が風呂から上がったらしい。
「ちゃんと温まったか?」
「はい!今お布団敷きますね!」
せっせせっせと千鶴は動く。
「歳三さん、お布団敷きましたので、どうぞ休まれて下さい」
「あぁ…!?」
敷かれた布団を見て俺は驚いた。二組あるはずの布団が一組しか敷いていない。
千鶴はまだ寝ないのか?それとも…
「あっ、あの…歳三さんのお布団で一緒に寝かして頂いても…よろしいですか…?」
恥ずかしげに俯きながら顔を真っ赤にして千鶴は言った。
(俺は誘われているのか?)
千鶴の腕を掴み布団に組み敷いた。少しびっくりしたような熱がこもった瞳がやけに色っぽく、甘く名前を呼んだ。
「千鶴…」
「歳三さん…」
頬に手を添え口付けしようとしたその時…
「あの…ばあやに言われたんです。『お嫁に行った最初の夜は布団一組に二人の夫婦が共同作業する』って…。詳しくは旦那様に聞きなさいと言われたんですが、なんの事なんですか?」
ん……?
「全部夫に身を任せなさいとか…お布団に入る前には『ふつつか物ですが…』って挨拶するとか…あ!!忘れてました!」
「どうした?」
「お風呂…妻なるもの夫の背中を流してあげるのが務めだって…」
俺の下で失敗したーという顔をしながら凹んでいる。
どうやら千鶴は夫婦の事は教わってきたようだが肝心の男と女の事については理解はしていないらしい。なにも知らないのだろう…
「まいったな…」
「え!そんなに大事な事だったのですか?ごめんなさいっ今からでもお風呂入り直して…」
「いや風呂の事じゃねーよ」
さて、どうするか。焦らずゆっくりじっくり千鶴に教えてやるのが一番いいんだろうが俺がもつかどうかだ。
今だってかなりヤバイ。千鶴の寝間着越しの体温や感触、夜の部屋に一つの灯りがともる怪しげなこの雰囲気は…
「知りたいか?夫婦は夜愛し合うんだ」
「私歳三さんの事愛してますよ…?」
「俺もお前の事愛してるよ。でもな、男と女は心の愛し合いだけじゃなくて違う愛し合い方もするんだ」
「違う愛し合い方?」
「あぁ、身体でな。」
「身体…?」
千鶴を驚かせないようそっと…優しく顎に手を添え顔を近づける…
「っ…!?」
「大丈夫…」
「あ…」
少し怖く千鶴は戸惑っているが安心させるように頭を撫で口付けた。
「ん…」
千鶴の唇は甘く柔らかく熱かった。もっと欲しくなり千鶴を求める。
「んっ、ふ……」
千鶴が少し苦しそうにするから唇を離した。
「ぷはっ」
「悪い苦しかったか?」
「ん…ちょっと…」
「息止めないでちゃんと吸え。真似してやってみろ」
「ん」
最初でいきなり舌を使うのはまずいから、ここは我慢して…
「ん…んっ」
想像以上に千鶴の唇は柔らかく、俺の熱で千鶴が溶けてしまうんではないかと思うほど激しく求めた。
口付けるたび千鶴の甘い匂いが感じられ頭がおかしくなりそうだ。千鶴から漏れる声が俺を誘惑し思わずこいつの細く華奢な腰を撫でる。
「ぁンっ…!?」
「はぁ…っちづる…」
千鶴の唇をペロッと舐めると、そのまま下に滑らせた。
その間俺の右手は腰を撫で回す
「あっ…歳三さっ…」
千鶴の身体が大きく跳ね腰を触られくすぐったいのか身体を曲げながら俺の肩に両手をやって少し押しのける。首筋を通り、鎖骨を通り、少し襟元を広げ胸を舐めた。
「ひゃ…あっの…!としっ…」
ベロベロと白く控え目な膨らみを舌全体で舐める。
「あっあ、の…としぞ…さん、ンっ…これが…夜の夫婦ハァの、協同作業なのですか?」
はっ、とこの千鶴の言葉で俺は我に帰る。口付けだけをする予定がついついこんなことまで…
千鶴の身体から自分の身体を離し起き上がる。
いきなり行為を辞めたため千鶴はきょとんとしたように息を切らしながら俺を見上げた。
「?」
「―――――っすまねぇっ…千鶴。歯止めがきかなくて」
「ふえ?」
「口付けだけするつもりだったんだがな…お前が愛おしく止まらなくなった。すまねぇ怖かったろ?」
まだ何も知らない千鶴にいきなりすることではなかった。口付けも知らないこれから女の子から女になるのを学ぶ年齢――――少女には怖い思いをさせてしまっただろう
「あの…歳三さん私は嬉しいです私を愛おしくてって事、それに夫婦がやることを歳三さんは今してくれたんですよね?私がまだ子供だからとか関係なく…歳三さんの妻としてちゃんと、女の人として見てくれたんだと千鶴は思いました。だから…ちょっとこの行為は怖いけど、まだ時間がかかるかもしれませんけど…歳三さんに応えられるように頑張りたいです」
「今のが全てじゃねぇぞ?女には少し辛い事だ…」
「歳三さんになら大丈夫ですよ…愛してるので、すべて受けとめます。それに・・・・」
「それに?」
「えと…なんて言えばいいのかわからないんですが…んーと、今の行為…」
「どうした?」
「こう…ぞくっ?っていうんでしょうか…気持ちよかったです・・・」
真っ赤になりながら恥ずかしげに千鶴は言う。
「気持ちよかったのか?ま、それは良かった」
それなら将来は安心か?なんて俺は近い未来の幸せな夫婦像を想像した。千鶴はきっといい女房になるに違いない。
「とうぶん無理な事はしねぇ。徐々にお前と夫婦になっていきたい。だから今日はなんもしねぇからもう寝るぞ?」
「はい!」
きっと俺は今かつてない程優しい笑みをしているんではないかと自分でも思った。少し乱れた布団を直し再び俺と千鶴は床に入る。
「あ!あと一個だけすみません」
「どした?」
「えと…これなら私からも出来るのではないかと思いまして…」
すると千鶴は少し起き上がり自分の唇を俺の頬に押し当てた
ちゅっ
「!?」
「えへへ…おやすみなさい」
ふにゃりと笑いながら照れくさそうに千鶴は布団を被った。
「お前なぁ…」
あまり可愛いと俺はまた襲っちまうぞと忠告しようとすると幸せそうに笑う千鶴を見て俺もお返しにと千鶴の額に口付けた。
「!?」
「おやすみ」
千鶴と無事夫婦の契りを交わすのはそう遠くないんじゃないか……
明日朝起きたら愛しい妻が隣で眠っている。
自分のために美味しい朝餉を作ってくれるだろう
たまに町に出かけて一緒に桜を見たい。綺麗なべべ着さして簪も付けて愛してると囁いてやろう。
この愛しい妻とずっと一緒にいたい。
俺は隣で眠る新妻の可愛い寝顔にまた口付け眠るのだった。
END
あとがき
ふぅ――〜〜(´ε`;)ゝ
やっとオワタ!
私の書く話は全部エロいシーンあんね!(笑)
千鶴ちゃんが可愛いせいだよ!コノヤロ〜( ´∀`)σ)∀`)
新妻千鶴ちゃんの続編です!
近いうちに初夜はやってくるさ!土方さんがんば!!
今回けっこう甘々になったんではないかと…
しかしパロディの話はタイトルが短いの多くて一覧が寂しい。出来れば頑張ってちょっと長くしたいな!
《 前 ‖ 次 》