浦島歳三 3/3


「あの…浦島さんごめんなさい私のせいで、お見苦しい所を見せてしまって…」

『確かにかなり見苦しいな。』

「まぁ、タイミングが悪かったな。俺はもうそろそろ帰ろうと思うんだか、どうやって帰ればいい?また死にそーになんのはごめんだぞ。」

「帰られるんですか!?おもてなしがまだです!」

「いや、こんな状況でおもてなしも何もねーだろ。歓迎されてねーしな」

「…ほんとにごめんなさい…」

「おい、人間帰るならとっとと帰れよ。二度とくんな。」

「お前等顔はそっくりなのに性格はほんと似てねーな。つーか二度とくるか」

「あの…せめてもの気持ちでお土産を…」

「土産?」

「はい!玉手箱です。大きい方と小さい方どちらがよろしいですか?」

『土産か…でかいと持って帰るの大変だしな、小さい方がいいか。』

「じゃ、小さい方を貰う。」

「はい!あ、それと約束してほしい事があるんです。」

「約束?」

「この玉手箱は決して開けないでください。」

「・・・・・・じゃあ何のために渡したんだよ。いらねえ。」

「だっ!だだだめです!!決まりなんです!持って帰ってもらわないと…」

「何か裏があんのか?」

「ち、違います!」

「ちゃんと人の目見て言えなんか企んでんだろ。何でわざわざ開けちゃならねー箱無理やり渡すんだ」

「それは…」

ごにょ、ごにょと千鶴が返答に困っていると後ろから声が。

「『開けたらだめ』って暗示かけてわざと開けさすんだよ。そうすれば人間なんて簡単だからな、気になって終いには引っかかっちゃうものだ」

乙姫が答える。

「そこまでして開けさすなんて何が入ってんだ?」

「さぁな。教えるもんか」

「歳をとるんですよ。つまり一瞬でおじいさんになるってこと。」

沖田が悪意のある笑顔で答える

「ちっ、ばらしやがって…」

「おい!!年とるってなんだ!何しよーとしてんだお前等!!おっかねーもん渡しやがって!」

「あ、あの浦島さんは知りませんけど地上と海底では時が経つ速さが異なっていて、この竜宮城の1日は地上では百年分経っていることになるんです。つまり浦島さんは今から地上へいったら100年経った世界に帰るというわけですね。」

「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・は?」

そうなのでした。竜宮城と地上は時の流れが違い、大きい時差があるため乙姫様は浦島歳三にその歳月の分、年をとらせるために玉手箱を渡したのです。


「ふざけんな!じゃあ俺が地上に帰ったらいきなり100年後になってるってことかよ!?」

「はい。」

「はいじゃねー!お前なんてことしやがったんだよ!やっぱ恩返しなんて嘘だろ!殺されかけるわ乙姫に敵対心剥き出しにされるわ元の世界に帰れねーわ挙げ句の果てにじーさんにされそうになるわ。最悪だな。つーか1日が100年ならお前200年も浜辺で日向ぼっこしてたのかよ!アホか!干からびろ」

「う…ごめっごめんなさい…私助けて貰ったお礼がしたくて…ふっ、ひっく…時差があるのをすっかり忘れて、ひっく…」

「あ〜あ、千鶴ちゃん泣かした!サイテー。」

「最低なのはお前等だろ!」

「俺の可愛い妹を泣かした罪は重いよ。死んでもらう。」

「お前が死ねむしろこっちが泣きてーよ」

「か、薫!駄目だよ!浦島さんをここに連れてきたのは私だし今から地上へ戻っても浦島さんが住んでいた世界とは全然違うから行くところもないし…浦島さんさえ良ければここに住みませんか!?」

「千鶴、何言ってんだ。人間と暮らすなんてごめんだよ。そいつはマリアナ海溝に沈める。」

「薫!これ以上浦島さんを悪く言ったら嫌いになっちゃうから!!」

「なっ!千鶴が俺にはむかうのか!」

「もう一緒にお風呂入んない!」

「千鶴!!」

「思春期を迎えた娘と父親みたいだな」

「お前等まだ一緒に風呂入ってたんか…」

「千鶴と一緒の風呂…」

「雪村と一緒に風呂…」

「平助、一君、鼻血。」


「これもすべてお前のせいだ!」

「いや、一緒に風呂入れなくなったのは俺のせいにするな。」

「かっ薫、浦島さんをここに住まわせてもいいって言うならお風呂の件はなしにする!」

「・・・・・・・・・くっっ・・・不本意だけどな風呂のためならしょうがない…」

「わ〜あのシスコンキモすぎて僕鳥肌たってきちゃった」


こうして、乙姫様に竜宮城での暮らしの許可を得た浦島歳三ですが、この先亀千鶴をめぐる騒動に巻き込まれたり、鮫一族の風間千景にその強さを気に入られ竜宮城に度々奇襲をかけられるなど、波乱万丈な日々が待ち構えているのですが持ち前の強さできっと乗り越え、竜宮城で楽しく暮らしていきましたとさ。めでたしめでたし。

「めでたくねー」





END


あとがき
土方さんを浦島太郎に置きかえたパロディでした!
このお話は家で絵かいてたらなんとなく亀千鶴ちゃんを思いついて…ドラマCDでもなんか浦島太郎ネタありませんでしたっけ?
イラストをUPできる環境になりましたら是非亀千鶴ちゃんやタコ沖田さん!乙姫様薫!浦島歳三さんなどその他メンバー描きたいと思います(´∀`*)

ちなみに、乙姫様薫は見た目は島原のときの花魁姿の千鶴ちゃんをイメージ。タコ沖田さんは手は人間じゃなくまさにタコの足(にょろにょろ)。他のメンバーの魚の種類決めるの悩みました。思いつかん!平助以外もう投げやり。ちー様は一発で決まった。
このあと浦島歳三さんは千鶴ちゃんの事だんだん好きになっていって他の千鶴好き連中と取り合いの日々になったりして…
いつまでもみんなで千鶴ちゃんの取り合いしてたらいいな。

あっ、ちー様途中から空気だ…








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