触れたい 1/1


最近、君に触ってみたいなぁと思う僕がいる。

つんつん

「やんっ」

「うん。いい反応だね」

「腰はやめて下さい……」

「そっか。腰弱いんだね」

「沖田さんは先から何をしてるんですか?というか私は沖田さんに先から身体を触られて正直怒りたいような泣きたいような気持ちでいっぱいです。」

「なんとなくです。」

「なんとなくな理由で私はこんな破廉恥な辱めを沖田さんからうけているんですか?」

なんとなくでの一言で言い表せないぐらい今僕の中で色んな感情がぐちゃぐちゃと飛び交ってるけどその正体は分かんないし突き止めるのも面倒だからとりあえずなんとなく。

「千鶴ちゃん今日も可愛いね」

「お…思ってないですよね」

「思ってるよ」

本当に可愛いと思ってるんだよ現に今千鶴ちゃんが赤くなりながら頬を膨らませてるとことか。

「手、握ってもいい?」

「え"」

ぎゅ…

「あ、ちょ…」

「柔らかいなぁ大福の感触と同じだ」

「だだ大福って…」

千鶴ちゃん焦ってる焦ってる。両手握って、離して、千鶴ちゃんの手のひらの肉摘んでみたり、爪を触ってみたり、僕の手とあわせて大きさ比べしたり。まじまじと千鶴ちゃんの手を観察する。

「なんだか恥ずかしいです…」

「千鶴ちゃん手小さいね。あと背も胸も小さいね」

「余計なお世話です!!」

「胸小さいの気にしてるの?大丈夫だよ。僕は小さくても平気」

「お…沖田さんには関係ありません!」

千鶴ちゃんはまたぷくっと頬を膨らませた。さっきと違ってこれはなんだか可愛くない…

スルンッ

「ひゃ…」

もぞもぞ…

「きゃあ!きゃ…やっ、おきたさん!!」

「なに?」

僕は千鶴ちゃんの脇に手を入れて擽りだした。

「やめてくださっ」

「僕を傷つけた罪によって君はこちょこちょ10分間の刑です」

「じゅ…10分間も…っし、死にます!」

こちょこちょ

僕は千鶴ちゃんの下腹部に乗っかってひたすらこちょこちょを続ける。

「やめて欲しかったら『千鶴は悪い子ですごめんなさい』って言ってごらん」

「いやですぅっ…あっっ」

こちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょこちょ

くすぐったくて暴れる千鶴ちゃんの着物はどんどん乱れていく。息づかいも荒くなって、額に汗浮かばせて真っ赤になっておまけに涙目で…

「お、きたさぁ…はぁ、は、んっ…ゆるして……くだ…さィ」

「ん〜聞こえないよ?」

「うう…も…だめ…」

「僕がさっき言った言葉言ってごらん?」

「や…はずかし」

「じゃあ続けよう♪」

「やっ、まっ」

こちょこちょこちょこちょやっぱり千鶴ちゃんと遊ぶのは楽しいな。

「沖田さぁん…」

「言う?」

「うう…ち、ちづるはっ…悪い子です…」

「で?」

「はうっ…ごめんな…さい」

「うん。許してあげる」

ぴた

僕がこちょこちょを止めたことで千鶴ちゃんは大量の酸素を取り込もうと大きく胸を上下させる。

「ハァ、ハァハァっハァ、ハァ…沖田さん…重い…」

「ん?あぁごめんね」

千鶴ちゃんの上からどけ、横たわっている彼女の横に座り上から見下ろす。

「汗びっりょりだね」

「ハ…腹筋…痛…」

汗で額に張り付いた千鶴ちゃんの髪の毛を僕は人差し指でのける。

「千鶴ちゃん」

「はい…」

「手、握ってもいい?」

…コクン

千鶴ちゃんは少し間を置いて無言で頷く。

ぎゅ…

「あっつい」

「沖田さん…」

「ん?」

「なんだったんですか?」

「ん〜なんだったのかって聞かれてもね〜なんとなくだよ」

「またなんとなくですか…?」

「今は答えが出ないけどいつか多分分かると思う」

「うう…なんだか汚れてしまった気分です…」

「人聞き悪いね。でも悶える千鶴ちゃんの姿はなかなか良かったよごちそうさま」

「嫌な人です…」



もっともっともっと君に触りたい。



END

あとがき

千鶴ちゃんに「千鶴は悪い子です」って言わせたかっただけ…オチも何もないままおわる。

多分、沖→千 だけど沖田さんはわかってなく無自覚。だけど千鶴ちゃんに触りたい衝動…
そんな千鶴ちゃんも沖田さんに振り回されつつも満更でもない。やがて沖→←千になってゆくんだと。







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