小さくなってしまいました 4/4
チュンチュン…チュン
チチチ…
雀のさえずりと共に新選組屯所に朝を迎える。
「ちづるー起きてるかー?」
朝一番に千鶴の部屋へ平助が訪ねてきた。
返事を聞かず元気よく襖を開ける。
「わーーーー!何してんだよお前等!!」
襖を開けた先には沖田と小さい千鶴が抱き締められ二人でひとつの布団で眠る姿があった。
「ん〜〜うるさいなぁ、静かにしてよ」
「総司!なんで千鶴と一緒に寝てんだよ!」
「ん〜……」
「あ、千鶴ちゃん起きたの?おはよう」
「ん…沖田さん…おはようございます…」
「まだ眠たいの?いいよ寝てて今日も仕事しなくていいし」
「はい…」
「いや千鶴!なんで総司と一緒に寝てんだよ!」
「へっ!! 平助君!? 」
「ちょっと平助君千鶴ちゃん寝てんだから起こさないでよ。」
「あ、わり千鶴…てかなんで一緒に寝てんだよ!!」
「あ、あのそれは…」
「僕は千鶴ちゃんのお世話係りなんだからあたりまえでしょう?ていうか平助君こそ勝手に部屋入ってこないでよね」
「世話係り関係ねーよ!千鶴はいやじゃねーのか!?」
「!!もっもちろんい…」
「嫌なわけないよね?僕たくさん可愛がってるし頭撫でられて千鶴ちゃん気持ちよさそうにしてるし。ね?」
顔はとびきりの笑顔だが後ろに背負うドス黒いオーラは半端ない。
「…は、はい…」
「やっぱりいい子だね千鶴ちゃんは」
「うぅ…」
「総司千鶴涙ぐんでるじゃんか」
沖田のドス黒いオーラに負け、平助はこの場を後にした。
「さて千鶴ちゃん今日はなにして遊ぼうか。」
「いえ沖田さん私はこの姿ですし…あまり騒いだりできませんし大人しくしています。」
「え〜それじゃつまんないじゃない。僕は千鶴ちゃんと遊びたい」
「でもこの姿ですからお部屋でできる事なんて限られますよ?」
「ん〜じゃああれしよう!野球兼」
「お断りします!!」
「千鶴ちゃん冷たくない?」
「冷たくもなります…」
「じゃあ何したいのさ」
「私は大人しくしていたいんです…」
「それじゃあ僕はつまんない!千鶴ちゃんで遊びたい!」
「私とじゃなくて私でですか?」
「うん。千鶴ちゃんで」
「沖田さん昨日から薄々感じていましたがこの状況楽しんでますよね?世話したいってうそですよね?」
「んーん。千鶴ちゃんが小さくなってるのは楽しいけど世話したいのはほんとだよだって面白いでしょ?」
「面白いからですか…」
「テヘ」
『あ、テヘペロした…』
「僕千鶴ちゃんで着せ替えしたいな」
「わ、私はお人形ではありません…」
「お人形みたいにちっちゃくて可愛いよ。ね?いいよね?」
「きゃっ…また…」
千鶴の着物を左右全開に開く。
「やぁっ!沖田さ…!!」
昨日と同様肌着だけにされてしまった
「うぅ…ひっく…」
「もぉ〜泣かないの。今日は左右の髪の毛結んで市松人形みたいにしようか着物は緋色かな〜」
膝の上に座らされ昨日と同じ状況だ
『早く元の体に戻れますように!!早く元の体に戻れますように!!!早く元の体に…』
「あっ千鶴ちゃんごめん。市松人形じゃなくてわら人形みたいになっちゃった」
**********
「はい!完成ー!!」
なんとかわら人形のような髪型から市松人形のような可愛らしい髪型に仕上がった。
緋色の着物はますます千鶴の可愛さを引き立たせた。
「あ、ありがとうございます…」
「気に入った?」
「はい!沖田さんは器用ですね!」
「ふふ、ありがとう。あ〜千鶴ちゃんやっぱりかわいい僕って天才」
「このお着物高くなかったですか?」
「昨日の着物と同じ所で買った安物だよ。千鶴ちゃんが着たからこんなに際立ってるんだね」
「安物でも嬉しいです…」
頬を染めてうっとりしなから沖田をみつめる
「…千鶴ちゃん…」
「?」
ふわっと千鶴の華奢な小さい身体を抱き締め、首筋に顔を埋める…
「お、おきたさっ…」
「ほんと可愛いよね君って」
ちゅ、ちゅと千鶴の頬や首筋、額に何度も口づけして頭を撫でる。
「んっ…ちょ沖田さっ…あんっ」
「千鶴ちゃん口づけしてもいい?ココに」
沖田が指したのは千鶴のぷっくりとした薄紅色の唇。
「え!…でででも…」
真っ赤になり戸惑う。
「好きだよ千鶴ちゃん…」
「あ…」
二人の唇と唇が重なる…
その瞬間────────
ぽんっ!!
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「「戻った」」
千鶴の身体が元の身体に戻った。
「よ、よかったぁ〜元に戻れて…」
「……………よかったね……」
もう少しの所で千鶴と接吻出来たのに…と少々沖田はふてくされている。
「あっ!でもこれで心置きなく続き出来るね」
「え?続き?」
「うん!いったでしょ?五歳児相手は無理だけど元の体の千鶴ちゃんにならなにかするって!だから今からさっきの続きのナニかを…」
「ちょっ!沖田さん!まま、待ってくださ…」
「無理待てない。」
「きゃあー!やぁっ…」
ガバッと押し倒されキスの嵐を降り注ぐ。
「千鶴ちゃん好きだよ。だから…ね?」
「あっまっやめっ…ちょ…」
その後夕刻の時間になっても二人は部屋から出てこず、夕飯に呼びに来た平助に見つかって騒ぎになるのはまた別のお話。
END
あとがき
幕末沖千で千鶴ちゃん幼児化話でした(o´∀`o)
千鶴ちゃんが他の隊士達ともっとからんで可愛がられてる姿を書きたかったけど長くなるし面倒くさく止めました(- -;)
千鶴ちゃんはこのあと沖田さんにおいしく食べられた事でしょう(笑)
この話のなかでは沖田さんは最初から千鶴ちゃんの事が好き設定です。幼児化した千鶴ちゃんが可愛すぎて着飾らしたくなったんですね。かわいいかわいい沖田さんに連呼され最終的に沖田さんを好きになってしまう千鶴ちゃん。←で、食べられた(笑)
最後まで読んでいただいてありがとうございました!!
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