二万打小説 | ナノ

 1/3の純情な感情と残り2/3の卑猥な感情 1/3




「明日デートしようよ」

お昼休み。沖田先輩とランチをしていたらデートに誘われた。私達が付き合って1ヶ月。二人でどこか行ったことなんて放課後デートの近所の公園ぐらい。休日、先輩は剣道部であまり休みがないから私服で丸一日二人きりなんて事なかったのだけれども・・・

「いいですよ」

「いいですよって・・・千鶴ちゃんちゃんと喜んでる?なんかあまり嬉しそうじゃなくない?」

じとーっと沖田先輩が私を睨む。
あ、疑われてる・・・

私と沖田先輩が付き合うきっかけは沖田先輩からの告白。正直先輩の事は平助君の親友で格好良くて剣道が強くて頭が良い人とただそれだけしか思っていなかった(あと腹黒い)。

*********


「好きだよ」

「え?」

「え?じゃなくて。君が好きだよ」

「・・・・・・・・はぁ」

放課後の夕暮れ時、教室が茜色に染まる時間頃わざわざメールで呼び出された。

「なにそれ。ちょっと千鶴ちゃん今人生の一大イベントの最中だよ?こんな格好良い先輩から告白されてトキメキとかないの?」

「えっ・・・でもあの私・・・」

「付き合わない?付き合おうよ」

「や、その・・・」

「好きな人いるの?」

「え好きな人は・・・いませんが・・・」

「ならいいよね僕と付き合っても」

「あのでもっ・・・」

「千鶴ちゃん・・・僕嬉しいなぁ・・・好きだよ」

千鶴に答える隙を与えず総司はどんどん話を進め、軽く唇にキスをした。

「きゃあ!」

「千鶴ちゃんの唇・・・甘いよ」

「あの、ちょっ・・・!んんっ・・・」


初めてのキスはほんとおに体がとろけそうになるくらい甘く、しばらく沖田先輩から解放されなかった。
それから私は流れに流され、沖田先輩と付き合うようになった。



**********


――――――――
 X/XX
frm 沖田先輩
sd
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
千鶴ちゃん明日のデートは僕がプレゼントした服着て来てね(`ω´*)

楽しみ(はぁと)


――――――――


「・・・・・・・・・・・・・・・」

デートの前日の晩、総司から千鶴へ上記のメールが送られた。¨僕がプレゼントした服¨とは、つい先日千鶴の誕生日プレゼントとして総司が送ったものの事だ。総司がどんなものを送ったかと言うと、服と言っても彼女に送る可愛いワンピースなんかではない。総司が一人で店に行き、総司が一人でコーディネートし、その日のファッション一式を揃えた。そしてその中には下着も含まれる。受け取って中身を見た時は何事か!?と思ったが総司曰わく、「自分が選び買ってあげた服を着せてはじめて自分のモノだと実感できる」らしい。


「はぁ・・・・・重い・・・・」

告白されてはじめてしたキスは嫌ではなかった。むしろ甘くてとろけそうで気付けば総司を好きになっていた。これだけははっきりと千鶴はわかっているのだが、どうも総司は妙にベタベタしてくるというか・・・とりあえず常に千鶴千鶴へ会いに行く。朝のホームルーム前も授業の間の10分間休みも昼休みも放課後も部活が終わった後も・・・千鶴は彼氏彼女の関係というものは初めてでまた、恋愛に関して鈍いのを自覚している。はじめて付き合った為普通はこうなのか?と親友のお千に相談したが「うざっ!」との意見が返ってきた。
薄々思ってはいたが沖田はかなり特殊なタイプなのではないだろうか?幼なじみの平助とも喋りだすと総司がすかさずやって来て「僕の!」と言って千鶴を後ろから抱き締め牽制する。
これだけならまだしも、「僕は千鶴ちゃんの全てを知りたい」と言い出し、その日の下着の柄を聞かれる。終いには「見せて」と言って来る。これは最早彼氏彼女関係なくただのセクハラだ。

こんな関係が続き付き合って早、1ヶ月。早くも千鶴に倦怠期が訪れていた。


「デートかぁ・・・」

またベタベタしてくるのだろうか?
キスは一日一回はしてくる
どんなにブルーな気分でも僕の事考えて!と迫ってくる
歩く時は学校でも必ず手を繋ぐ
会わない時は何してるかしつこくメール(深夜まで)



「行きたくない・・・・・」

体が重い。最近総司の事を考えると寒気がして頭痛がする。だがもし明日ドタキャンしたら一日中何をしてるかメールしてきそうだ・・・

逃れる道はない。するべき事はただひとつ。諦めた千鶴は気合いをいれる為軽く自分の頬を叩く。総司からもらったプレゼントが入っている箱を持ち上げ決意を固めた。


「明日は戦闘よ!」

たとえどんな恥ずかしい事を街中でされたって彼氏彼女なのだ。自分もバカップルになればいい!
早速明日に備え総司からのプレゼントの服達を箱から出した。正直、もらって中身を見た直後からそれ以来手をつけてはいなかった。開けた途端下着が目に入ったからだ。総司からのプレゼントされた下着とは奇抜ないやらしいものではなく淡いパステルカラーのレースや花の刺繍が施されたベビーピンクの下着だった。

「ほっ・・・これならまだ・・・」

箱に詰めっぱなしの洋服達を取り出し、千鶴は明日の戦闘の為綺麗にアイロンをかけだした。





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