二万打小説 | ナノ

 1/3の純情な感情と残り2/3の卑猥な感情 3/3




「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「付き合って1ヶ月だし?別にやましい事しようとたくらんでないよ?純粋に純粋に千鶴ちゃんを抱き締めて眠りにつきたいな〜とか、お風呂上がりにパジャマ姿でテレビみたりまったりしたいな〜とか、擬似夫婦体験だと思ってさ♪」

「擬似夫婦・・・・・」

一気に現実に千鶴は引き戻された。昼間のおとなしかった総司に比べその分ガッカリ感、脱帽感が半端ない。今日の総司は理想的な完璧な彼氏だったからだ。魔法はとけた気がした。

第一、同じベッドで寝るなんて普段の沖田先輩を見ればそれだけで済むはずがない。またベタベタベタベタいやらしい事をしてくるに違いない!

そんな事を考えていたら総司の顔が目の前にあった。

「きゃっ!」

「それに・・・・僕まだ確認してない事があるんだよね。」

「へ?」

「僕が送った服・・・ちゃんと下着までつけてくれたかまだ見てない」

「!?」

「そこまで見ないとやっぱ¨僕のもの¨っていう実感が湧かないんだよねぇ」

やはり総司はいつもの総司だった・・・・


「かっかかか帰らさして頂きます!」

千鶴が玄関の方へ向かおうとしたがガシッと総司の手が千鶴の肩を掴む。逃がさない。

「まぁね?僕としては千鶴ちゃんが僕の送った下着つけたか確認するだけでいいんだけどね?ちゃんと家まで送るし。」

「下着は見せません!沖田先輩のばか!」

「ばかでもなんでもいいよ。さ、千鶴ちゃんギブミー下着」

「いやです!こっち来ないでください!」

じりじりと千鶴は壁まで追いやられてしまう。

「・・・・・・・・・・・・・」

すると、トンっと総司が壁に手を付き千鶴を囲う。

「千鶴ちゃんは僕の事どう思ってるの?」

「え?」

「最近・・・僕の事避けてるよね?」

「!」

付き合ってから総司の異常愛にキモチワルイキモチワルイと思い確かに避けてはいたが、どうやら薄々感づかれていたようだ。

「そんなことは・・・」

「あるよ。千鶴ちゃん僕といる時距離をおいてるもん」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

そりゃあ一日中あんなにベタベタしていたら離れたくもある。

「先輩はちょっと、その・・・四六時中一緒だからやっぱり・・・離れたい時もあるといいますか・・・・・」

「四六時中じゃないよ。夜とか会えないじゃない」

「でもそれ以外は四六時中です!」

「だって付き合ってるんだよ?いつも一緒に居たいでしょ?」

「たしかに付き合ってます。一緒に居たいのはありますが・・・沖田先輩っ、ベタベタしてくるじゃないですか!」

「千鶴ちゃんは僕の彼女なんだから・・・」

「付き合っているからと言ってもあっ、ああんな変質者みたいな事が嫌なんです!『下着見せて』とか髪の毛の匂いクンクン嗅がれたり脚触ってきたりっ・・・私、先輩と居るの疲れたんです!!」

言った。言ってやった。千鶴は総司に今までのうっぷんを吐き出した。それ程総司に対してストレスが溜まっていたのだ。これで少しは反省すればいい。そして出来れば今日のデートのような"理想の総司"が永遠に続けばいい・・・
そう思ったのだが。

「グスっ・・・」

「!?」

総司が両手を顔に添え、泣いている。千鶴は総司を泣かせてしまった。

「え」

「・・・・千鶴ちゃんは、僕の事変質者みたいに思ってたんだね・・・手繋いだりしたのもキスしたのもキモチワルイと思ってたの?」

「沖田先輩っ・・・」

泣いている・・・のか?鼻をすする音は聞こえるが涙は手で隠れて見えない。

嘘泣きなのでは・・・

「千鶴ちゃん、今僕が泣いてるか疑ってるでしょ。」

ギクッ
「疑ってません!疑ってません!」

バレてた。というかやっぱり嘘泣きなのでは?・・・・

「ぐすん、千鶴ちゃんがこんなひどい子だと思わなかった。ひどいひどい」

「あの・・・泣かせてしまったのならごめんなさい・・・」

「ほんとに申し訳ないと思ってる?」

「はい」

「じゃあ慰めて」

弱みにつけこみ総司がまたもや要求してきた。

「もうその手には」

「グスっ・・・ぐすん、千鶴ちゃんが僕の事苛める。ひどいなぁ。ひどいなぁ!」

「あの・・・えっと」

とりあえず、千鶴は総司の頭を撫でてみる。

なでなでなで・・・・
「・・・・・・・・・・・」

すると、

「もっと撫でて」

「え、はい・・・」

頭を撫でられた総司はどうやらごきげんになったようだ。悔しいが甘えたな総司を見てついかわいいなんて思ってしまう。

「じゃあ・・・・千鶴ちゃん・・・・・」

「なんですか?」

「約束の・・・」

「へ・・・っ!?」

次の瞬間、千鶴は総司に腕を掴まれ後ろのソファーに押し倒された。

「きゃあ!」

「下着。見せてね」

「何をっ!?」

暴れる千鶴に対し、総司は泣いていたさっきとは打って変わってとても笑顔だ。

「嘘泣きだったんですか!」

「僕人前で泣かないもん」

「騙したんですね!ひどい」

「ひどいのは千鶴ちゃん。恋人の僕に下着見せてくれないなんて・・・」

ブツブツと総司が不満を訴える。

「セクハラは嫌だって言いました!」

「彼氏彼女なんだからこれはセクハラには入んない。千鶴ちゃんが僕の下着履いたか見るまでお家帰さないよ。本気だからね」

「そんなっ・・・」

「100歩譲ってブラかパンツどっちか選ばせてあげてもいいよ」



その夜千鶴は結局家には帰らず、ていうか帰してもらえず総司に延々と愛情確認されていた。千鶴の"理想の彼氏総司"はその日1日の限定でその後現れる事はなかった。総司の愛慕から逃げるも出来ずこれから人生のパートナーになる事はまだ知らない。





END

大分遅くなりましてすみません(汗)
雫様)リクエストが甘々+気持ち悪い総司だったんでこのようになりました。あまりまとまりがない〜(× ×)私の書く話はどうも裏が入りがちですww
最後の方少しぐだぐだしてしまいましたw
こんなもので良ければ貰って下さい。リクエスト有難う御座いました!

※お持ち帰りはリク主様のみ。





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