ハロウィン 1/1


今日はハロウィン

僕が楽しみにしてた日だ。

ハロウィンにかけつけて今日は大好きなあの子に悪戯できる唯一の日(え?いつもやってるのはあんなの悪戯に入んないよ)

学校が終わってから放課後、近藤さんが自宅を開放し、ハロウィンパーティーを開こうと提案してくれ、いつものメンバーが集まった。



「トリック・オア・トリート!!」

平助がクラッカーをぶちまけみんなにお菓子をねだる。


「ほら平助!お菓子やるよ」

「おーサンキュー左之さんって!これ酢昆布じゃん!!」

「栄養あるだろ」

ハロウィンパーティーなだけに近藤さんが買ってきてくれたパーティーグッズ用の衣装でみんな仮装してる。
あの土方さんや一君まで(まぁ無理やり着せられたみたいだけど)


「すみません遅れました」

「あっ千鶴ー!」

「えへへ、お菓子作ってたら遅れちゃって」

「何作ったんだ?」

「かぼちゃのカップケーキ。ところでみんなハロウィンの正装なんだね」

「千鶴の分もあるから着てみろよ」

ナイス平助。君たまには役にたつよね。
僕も千鶴ちゃんハロウィン私用コスプレ見たいし。



着替えが終わった千鶴ちゃんは魔女っ子の格好でやってきた。黒いマントと三角帽子、小道具にホウキを持って黒と白のボーダーのニーハイ。
絶対領域から覗く白く細い太ももの食い込みがたまらない。

ちなみに僕は狼男の格好してるよ。

「沖田先輩」

なんて可愛い笑顔で駆け寄ってくるんだから両手を広げてスタンバイした。
ら、彼女はすぐさまピタッと立ち止まった。

「千鶴ちゃんなんで止まるの?」

「なんとなく…」


「可愛いねその格好。似合うよ」

「ありがとうございます」

にっこりと微笑んだ僕の笑顔に千鶴ちゃんは赤くなりながら俯きがちにつぶやいた。


すぐさま抱き締めたいが近藤さんの前ではしない。
そんな事をしたら嫌がる女子に何を〜的な感じで怒られそうだから。
近藤さんの前では優等生でいたいからね。

だから触れない。



「ねぇ千鶴ちゃん…」

「は、はい…」

僕は千鶴ちゃんのその真っ赤な顔にキスするんじゃないかというくらい近付いた。
涙目になりながら俯く千鶴ちゃんに甘く低く囁く。


「お菓子くれなきゃ悪戯しちゃうよ」

「あ、あのカップケーキを…」

「千鶴ちゃんの方が甘くておいしそう…味見してみてもいいかな?」

「え!」


ゴンっ


僕の頭に鈍い音が鳴り響く。
うわ来たし…


「総司テメェは何発情してやがる」

「土方先生…」

「何ですか邪魔しないでください」

「千鶴が困ってんだろーが」


嘘つき。
ほんとは千鶴ちゃんに近付いてる僕に嫉妬してるだけでしょ。
ここに居る人達大半は千鶴ちゃんの事結構本気で好きみたいだし。
僕もそのうちの一人。
そして土方先生も。
ダメだよあげない。

千鶴ちゃんは僕のものだから。


********



「これめっちゃうめー」

平助が千鶴ちゃんの作ったカップケーキを頬張りながらベタ褒めする。


「いっぱい作ったからたくさん食べてね。」

カップケーキは一個一個透明の袋にラッピングされててオレンジや紫のリボンで縛られてる。いかにもハロウィンって感じだね千鶴ちゃん。

あのリボンがカップケーキじゃなくて何も着ていないまっさらな身体の千鶴ちゃんに首もとにリボン結びで飾り付けて、君はベッドに横たわってて、

『トリック・オア・トリート』

お菓子を持っていない君に僕は優しく悪戯をするんだ。

シュルシュルほどいていったリボンの先は究極の甘味だ。

甘い香りが僕の脳内を包んでいく。



なんていう妄想をしていたら気付いたら千鶴ちゃんはいない。

「あれ?千鶴ちゃんは?」

「『ちょっとお手洗い行って来ます』って!」

「へ〜」


好都合だ。
千鶴ちゃんと二人っきりになれる。僕だってエロい事ばかり考えてるわけじゃない。
純粋に千鶴ちゃんと二人でお話したりしたいわけだ

みんなの目を盗んで僕もトイレに行き、千鶴ちゃんを待ち伏せなう。

ガチャ

「あ、先輩!」

「千鶴ちゃん」

「どうかしたんですか?」

「ん?千鶴ちゃんと二人きりになりたいな〜って」

びっくりした様でちょっと潤んだ瞳で僕を見つめる千鶴ちゃんは可愛いな。

あぁだめだ。
やっぱり欲しいな

「僕まだお菓子貰ってないな」

「あのカップケーキじゃ…」

「カップケーキもいいけど千鶴ちゃんがいい」



たとえ千鶴ちゃんが作るカップケーキがどんなに美味しくたって、千鶴ちゃん本体には負けるね。



「頂きます」

ちゅ
ぺろっ
「んっ…!?」

唇は奪ってないよほっぺたにしたの。

唇にはお付き合いしてからが千鶴ちゃんに対しての僕のルール。

「沖田先輩っ…」

「ごちそうさまとっても美味しかったよ。」



甘いものは貰えたけど悪戯がまだだ。
え?お菓子貰ったのに悪戯するのかって?
だってこれはハロウィンとは関係ない悪戯だから。


「ところで千鶴ちゃん僕先からずっと気になってたんだけどね」


「な、何でしょう…」


「千鶴ちゃんの脚がね、みててたまんないな〜と思って。ニーハイは男のロマンだからね。触っていい?」


するんっ


「きゃあああ!」


すべすべで気持ちいい。
この太ももに頭挟まれてみたい。
そんな変態じみた想像をしていると千鶴ちゃんは逃げた


「待ってよ千鶴ちゃーん」

「きゃあーー来ないでください!!」


ああ楽しい。

魔女を追い掛ける狼男。


終わらない悪戯に楽しい夜がふけていく

ほら、千鶴ちゃんハロウィンの日は月がいつもより紅く染まっている。




END

あとがき

今更ハロウィン話です(-.-;)

季節に合わせたお話書くの憧れてたんです。ハロウィンいいですよね!







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