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真桜の家のインターホンを押すとすぐに玄関の扉は開き、中から出てきたのは健弘だった。


「おう、柚瑠お疲れ。」

「あ、健弘帰るんだ?」

「あいつ柚瑠来たらすぐ帰れってうるせーんだよ。」


健弘はそう言いながらさっさと俺の横を通り過ぎ、「じゃあな!」と足早に去ってゆく。


まるで真桜に追い出された感満載の健弘に少し笑いながらその後ろ姿をチラッと眺めていると、「柚瑠?」と名前を呼ばれ、玄関に顔を出した真桜に家の中へ招かれる。

リビングの方は真っ暗で、家の人はどうやらまだ帰っていないらしい。

2階の真桜の部屋へ上がらせてもらうと、扉が閉まる前からすでにもう俺の身体に抱きついている真桜。


「あ〜あ、美亜ちゃんが柚瑠と席隣なのやだぁ〜…。」


そしていきなりそんな不満を俺にぶつけてきた。もしや今日はずっとそればっかり考えてただろ。


よしよしと真桜の髪を撫でると、俺の肩口に顔を埋めてスンと息を吸う真桜。嗅ぐのはやめろ。


「美亜ちゃん可愛いもん、柚瑠が目移りする〜…。」


そうだった。真桜はこんなにかっこいいのに自分に全然自信がない。特に恋敵のような異性を前にすると余計に自信が無くなっていそうだ。


「真桜しか見てないのに目移りもくそもねえだろ。」


クスッと笑いながらそう言うと、チラッと顔をあげる真桜。綺麗な二重瞼に縁取られた目が俺の顔をジッと見つめる。


「目だけ見りゃ真桜もめちゃくちゃ可愛いな。鼻はすげー綺麗だし、口見たらキスされたくなるなぁ。」


ガシッと真桜の顔を両手で挟みながら、まじまじと観察するように見つめ返しながら言えば、真桜の顔はじわじわと赤く染まってきた。

ちょっと褒めるだけでこんなに照れて、かわいいなぁ。


あまりに近距離で見つめ合っていたから、真桜は我慢しきれなかったように俺の唇にキスをしながら、俺をベッドに押し倒した。


「ちょっとだけ。ちょっとだけ触りたい。」


控えめにそう言いながらも、真桜の手はグイッと俺のバスパンとパンツを脱がそうとしている。


だらんとベッドの下に下ろしていた足から脱がされたパンツが滑り落ち、ストンと床に落っこちた。

ベッドの上に上半身を預けて仰向けになっている俺のシャツを、グイッと胸元まで捲り上げられる。

俺の乳首は真桜にしゃぶりつかれ、同時にしこしと息子を扱かれる。


これはほんとに、『ちょっとだけ』なのか?


「俺今汗ですげー身体汚ねえんだけど…。」

「汚くない。」


『ちょっとだけ』ではすまなさそうな空気に口を開くと、チュッ、と乳首から口を離してからそう言い切り、今度は俺の胴体を舐め回した。だから汚いっつってんだろ。


「ああっ無理〜!!!」

「はっ?いきなりなんだよ。」


突然真桜が、俺の身体から口を離して叫ぶ。

穿いていたスラックスを勢い良く脱ぎ、パンツの上から股間を揉んでいる。


「ちんこが痛え。」

「…うわ、間抜けな絵面だな。」

「だって学校始まってから全然柚瑠に触れねえし、俺ずっと我慢してたんだもん。」


真桜はそう言いながらパンツのゴムを引っ張っては腹に打ちつけ、パンパンと音を鳴らせている。誰にも見せられないような間抜けな真桜の姿を前にして、だんだん笑えてきてしまった。


「あ〜もうしょうがねえな。じゃあ真桜、1回だけしよっか。1回だけな?」


俺がそう言うと、真桜はパッと嬉しそうな笑みを浮かべて、こくりと頷く。



こうして、数十分間の僅かな時間ではあったが真桜に抱かれ、互いに絶頂を迎えたところでサクッと行為を終わらせて、俺は時間があまり遅くならないうちに帰宅する。


翌日、真桜は俺の席に座り、隣に美亜ちゃんが居ようがお構い無しにご機嫌な様子で俺が登校してくるのを待っていたのは言うまでもない。


単純すぎて、お前ほんとにかわいいな。


班決めと席替え おわり

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