73** [ 75/101 ]
永遠くんはビクビクッと身体を震わせており、乱れまくった呼吸のまま俺を見上げてくる。
「ンンッ…、あぁ…ッ、ンッ…ぁッ…」
苦しそうにそんな声を出して、しばらく動けずに仰向けになったままの永遠くんの状態を飽きずに眺めていると、突然ゲシッと力強く腰を蹴られてしまった。
えっ…?なんだ?…怒ってる…?
永遠くんの息切れはなかなかおさまらず、永遠くんが何か言うまでまたジッと永遠くんの顔を見つめ続けていたが、「んんっ」と不機嫌そうな声を出しながらまたゲシッと腰を蹴られてしまった。
や…、やっぱり怒ってる…!?
動けなさそうにぐったりし続けている永遠くんの顔を覗き込んで、とりあえず「ごめんね…?キツかった…?」って謝ってみると、グイッと頭を引き寄せられ、「んんっ」とまた不機嫌そうな声を出した永遠くんにガブッと肩を噛まれてしまった。
「いッてッ!?!?」
絶対歯形ついただろ…!?
まだずっとハァハァしてるのに凶暴な永遠くんは、ムスッとしながらまた「んんっ」と不機嫌そうな声を出し、今度は俺の腹の肉をつねってきた。
「いッてッ!ごめんって…、…お風呂行く?」
「…ん。」
ご機嫌を伺うようにそう声をかければムッとしながらも永遠くんが首を縦に頷いてくれたから、俺は永遠くんをこんなに怒らせた原因が全然分からないままとりあえず永遠くんを抱っこしてお風呂場に永遠くんを連れて行く。
永遠くんを椅子に座らせて身体の汚れをシャワーで流し始めていたら、「もおっ!!めっちゃしんどかったぁっ!!」とめちゃくちゃ不満そうな態度を見せられてしまった。自分の中ではあまりガツガツやってたつもりはなかったけど、永遠くんの体感では全然違ったようだ…。
「え…、ごっ、ごめんね…?」
「光星ずーっと俺の顔まじまじと見てたやろ!!知ってんねんで!!」
「それは…、だって、めちゃくちゃかわいかったから…。」
「俺のイッてる顔まじまじと見るんやめてっ!はぁ〜!も〜ほんまにしんどかったぁ〜っ!!」
永遠くんはそう言って俺からシャワーを奪い取り、バシャー!!と俺の顔面にシャワーのお湯をぶっかけてきた。
「ぶえっ!!ちょっ…」
そんな俺に仕返しのようなことをする事で気を良くしてくれたのか、ひとまず俺を見てふっと笑みを見せてくれる。
「光星にはもう俺の顔見せたらへん。」
「えぇ…、それはやだなぁ…。永遠くんの顔見るのが好きなのに。」
そう言ってまた永遠くんの手からシャワーを奪い、身体を洗ってあげようとするけど、永遠くんは突然「あっ」と声を出し、椅子から立ち上がってまたお尻の下に手を当て出した。
「あッあッ…、光星くんのセーエキ流れてくる…っ」
行為が終わった直後は俺にめちゃくちゃ怒っていたくせに、すぐにころっと機嫌が良くなってまた永遠くんはそんなことを言っている。
…気持ち悪くないのだろうか…。俺には少し理解できない永遠くんの性癖だ。
「永遠くんほんとに中に出されるの好きになっちゃってるじゃん…。もー、こっち向いて、お尻も洗ってあげるから…。」
俺からしてみれば嬉しいことのはずだが、ほんとに出されるのが好きそうな反応を見せられると俺は少々呆れてしまい、永遠くんをそのまま立たせて汚れてしまった永遠くんのお尻を洗おうと手を伸ばした。
すると永遠くんは「ふふっ」と笑い、「俺やばいな。」と自分がやばいのを自覚しながら大人しく俺にお尻を洗われている。
「言ったらあかんで?」
「誰に何を言うんだよ…。」
「俺が光星くんに出されるの好きって。」
「寧ろ永遠くんが言っちゃダメだよ、そんなこと。」
「光星くんが中でビクビクビクッ…!ってなってるのも好きやな。」
「うん、分かったからそれ言っちゃダメだよ?」
そう言えば俺たちが旅行でやったってことも香月に知られていたから永遠くん普通に香月に話しそうで心配になってきてしまった。
念を押すように俺は永遠くんにそう言うが、永遠くんは「ふふっ」と笑ってにこにこしている。ああもうほんとにかわいいんだけど…、でも香月に話しそうで心配だなぁ…。
「香月にももし話したら次からゴムつけてやるからな。」
「ふぅん、それやったらもう俺は光星とはえっちしたらへん。」
「なんでそうなるんだよぉ…!!」
それを言われたらおしまいで、「ごめんって!つけないから…!」ってよしよし頭を撫でながら意味不明なご機嫌の取り方をする。
でも永遠くんの言葉は冗談だったのか、必死にご機嫌取りする俺を見てにこにこと楽しそうに笑っていた。俺の反応を見てちょっと楽しんでいるだけの気もしてホッとする。永遠くんとえっちできないなんてことになったら多分俺はもう無理だ。
シャワーで身体を洗い終え、永遠くんの部屋に戻ってくると、永遠くんはパンツだけ身に付けてごろんと絨毯の上に寝転がっていた。
そんな恰好で俺の目の前でごろごろされたらどうしても触れたくなってきてしまい、永遠くんの身体をグイーッと抱き寄せて抱っこすると、永遠くんは「んん〜っ」とちょっと嫌そうな声を出しながらも俺の首に腕を回して抱き着いてくれる。
「ごめんね?疲れちゃった?」
「…んん。疲れた。…あ、俺の歯形や。」
「ん?歯形?…ああ、それか。」
「光星が俺のイキ顔ガン見しながらひたすら突いてくるのが悪いんやで。」
「…ごめんね、…だってかわいいんだもん…。」
「もー、俺は疲れたからお昼寝するわ。シーツとタオル洗濯するから洗濯機止まったら起こしてくれる?」
「うん、いいよ。」
そう言って永遠くんはベッドに敷いていた敷きパッドとタオルを洗濯機の方へ持って行き、また戻ってくるとシャツだけ着てまたごろんと絨毯の上に寝転がった。
俺としてはズボンも穿いてほしいんだけど…。白く細い永遠くんの足に目がいってしまい、ベッドの端にあったタオルケットをそっと永遠くんの身体にかける。
多分洗濯機が止まるまでの時間は1時間程度だろうけど、永遠くんの寝顔を見ながらのんびりしていたらすぐに脱衣所の方からピーッピーッと洗濯機が止まる音が聞こえてきた。
俺が永遠くんの代わりに干してあげたいけど、人の家で勝手なことをするのは少々抵抗があるため仕方なくトントンと永遠くんの身体を叩いて起こそうとするが、永遠くんは結構ぐっすり眠ってしまっている。
申し訳ないと思いつつ、洗濯機の中から敷きパッドとタオルを取り出し、ベランダに出て物干し竿に引っ掛けて干させてもらった。
永遠くんの部屋に戻ってくるとやっぱり永遠くんはすやすやとよく眠っている。よっぽど疲れさせちゃったかな…。俺もごろんと永遠くんの隣で横になり、しばらくその寝顔を眺めていたが、すぐにうとうとと睡魔に襲われてしまった。
そして次に俺が目を覚ましたのは、玄関の方から香月と永遠くんのお姉さんの声が聞こえてきたからで、ハッとしながら身体を起こした。
「あ、光星くんの靴あるなぁ。」
「…あ、ほんまや。なんか静かやな。」
「うん、二人で何してんねやろ。」
…やばい、今何時だ…?ベランダにシーツ干してるのに…っ!
まさかお姉さんがもう帰ってくるとは思わず、俺は寝起きの働かない頭で慌てまくった。
[*prev] [next#]