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チュッと優しくキスされ、俺はうっとり目を閉じながら光星の身体に手を添える。次第にそのキスは激しくなってきて、光星の舌が俺の唇を割って入り、俺の舌を絡め取った。


「ン…、ぁ…、っ」


気持ち良い。キスだけでもう十分俺の身体は敏感に反応し、光星の身体に添えていた手が無意識に自分の股間に伸びてしまう。

それにすぐ気付いた光星が俺の手首を掴む。股間から手を離され、光星は俺のズボンとパンツをずり下げた。

シャツもグイッと胸元まで捲り上げられ、光星の舌が俺の乳首を舐める。グリグリと舌で攻撃され、唇で乳首を挟み、軽く引っ張られた。


「んっ」


声が漏れると光星はチラッと俺の顔に目を向ける。「かわいい」と囁やかれ、俺の髪をよしよしと撫でた。そのまま乳首は舐め続けられ、気持ち良くて、俺の剥き出しにされた性器も光星に触ってほしそうに濡れてくる。

足をもじっと動かして、光星の足に足首を擦り付けると、光星は俺の下半身を見てクスッと笑った。


「…もぉ、かわいいなぁ。」


そう言って、光星の手は俺の下半身に伸びた。キスをし、舌を絡ませながら俺の性器を握って上下に扱く。


「…ンっ、…ン、」


気持ち良い。すぐイキそう。でも光星は、焦らすように手を止めた。キスもやめてしまい、俺の下半身に目を向け、俺の性器の先っぽを観察するように人差し指で触れてくる。

俺のモノの先っぽから光星の指へねばっと糸を引き、「永遠くんえっちだなぁ」と言いながら楽しそうに指で先っぽを触り続けてきた。


「いやや!もう早くしてっ!」


俺は怒ったように光星の足を蹴る。
早く出したい。早く自分のは出してしまって、俺も光星のを触る。

でも俺に蹴られても楽しそうにクスクス笑ってきた光星は、またやんわりと俺のモノを握り、上下に扱いてきた。


「永遠くん俺になにされるのが好き?」


扱きながら、俺の顔を見て問いかけられる。

なにされるのが好き?なにされても好き。

「はぁ」と浅く呼吸しながら、返事をせずに無言で快感に耐える。べつに俺には性癖とか特にない。光星にされるのはなんでも好き。


「…光星は?」

「俺?」


逆に光星に聞き返したら、光星は「言っていい?」とわざわざ俺に聞き返してきた。


「うん、…なに?言って?」

「永遠くんの中に挿れたい。」


光星はこんな状況でめちゃくちゃ爽やかに笑いながら、俺にそう言ってきた。

ギラギラした目で願望を押し付けられるのではなく、サラッと爽やかに、意思表示するみたいに。


「前良いって言ったやん!」

「ほんとに?」

「良いから俺は今早く出したいねん!早くしなお母さん帰ってくる!」


これが今の俺の願望で、怒ったような口調で言えば、光星はクスクスと笑いながら「ごめんごめん」と謝り、俺のモノを触る手の速度を早めた。


「…ン!…ッ、…ハァ…ハァ…」


その後俺の吐き出したものを光星の手で受け止められ、自分の汚れた手まで光星は観察するように楽しそうに眺めていた。

俺は、ハァハァと息を吐きながら、やっぱり光星はむっつりだと思った。




家族の留守をチャンスだとばかりに二人でえろいことしたあと、ベッドの上でいちゃいちゃひっつく。

でもそんな時間はあっという間で、1、2時間程度でガチャッと玄関から鍵が開けられる音がして母親が買い物から帰ってきてしまった。


俺はサッと猫のように手足を使ってベッドから降り、床を這いつくばって光星から距離を取る。そんな俺にもクスッと笑ってきた光星が、俺の後に続いてベッドから降りた。


「そういや姉ちゃん男とご飯行ったかもしれん。」


今更俺はそんな姉の話を持ち出すと、光星は「え、うそっ。」と少し驚いたような反応を見せた。


「なんで?」

「なんかいつもより可愛い恰好してた。イヤリングまでしてたし『友達できて良かったなぁ』って言った時の俺への態度もよそよそしかった。」

「ほぉ…」

「もし男やとしたら誰やと思う?光星のお兄さんは今日バイト?」

「あー…どうだろ。」

「それかトウヤくん?侑里では無いよな。」

「でも香月今日用事あるって言ってきたんだよな?」

「あっ!…ほんまや!!」


まさか用事って姉ちゃんと!?でもそれやったら俺にそう言ってくるよな?と疑問に思いながら首を傾げる。侑里だったら喜ばしい話だけど、違った場合は複雑な気持ちになってしまう。


「さりげなく香月に探り入れてみる?」


光星はそう言って自分のスマホを手に取った。横から光星の手元を覗き込み、何て文字を打つのかジッと画面を見つめる。


【 永遠くんのお姉さんが可愛い恰好して出掛けていった 】


数秒間悩むように止まっていた指が動き出すと、光星はそんな文字を打った。すぐに侑里が食い付いてきそうな内容だ。この内容で送っていいか、許可を取るように俺の顔をチラッと見てくるから、俺は無言でこくりと頷く。


送ったあとに二人でジッと画面を見つめて既読文字がつくのを待つが、そんなすぐには既読がつくことも返信がくることもなかった。


「大学の女友達とかって可能性はねえの?」

「うん、違うと思う。だってもし女の子やったら嬉しそうに〇〇ちゃんって子と仲良くなってん〜とか、〇〇ちゃんとご飯行ってくる〜って言ってくると思うもん。」

「…なるほど。」

「…光星のお兄さんやったらどうする?」

「いや、絶対違う。」

「なんで!?」


可能性としてはあり得まくるはずなのに、俺の言葉は光星にはっきり否定されてしまった。

だって相手があのイケメンすぎる光星のお兄さんだったら、ちゃんとお兄さんに釣り合うように、って姉がおしゃれしていくのも納得だ。それに俺は以前姉と光星のお兄さんが仲良くなるのを嫌がっていたから、その名残で俺に隠したと思うと納得がいく。

逆に相手が侑里だったら姉は昨日のようにデニムパンツを穿いていくだろう。自分に気がある侑里を前にして、あのツンツンした態度を出しまくっていた姉がいきなりあの恰好で会うとはとても思えない。


じゃあ相手がトウヤくんだった場合は…、

…わからんなぁ。

実は一番あり得るかもしれない。


「まあ暫くは様子見やな。」

「うん、もしかしたら合コンとかかもしんねえしな。」

「えっ!?合コン!?姉ちゃんが!?」

「…あっ、いや、…もしもだって、もしも。」


ぺらっと口にした光星の発言に驚いて大声を上げてしまったら、慌てて俺を落ち着かせるようにポンポンと光星に頭を撫でられた。


その発想はまったくなかった。

姉ちゃんが合コン?あり得る、…んかなぁ。

俺にはそこまで姉のことは分からなかった。


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