「おい、さっき名字さんと何話してたんだよ」




昼飯食いに仁王と屋上に来たはいいが6月下旬、昼間に外に出れば暑い。
明日からは部室で食べよう。
そんな事より仁王から返事がねえ。おい仁王聞いてんのかって足を軽く蹴ったら「んー」としか返ってこなかった。喧嘩売ってんの?




「んーじゃなくて!」
「そんな気になるならなんでその場で聞かんの?俺やったら何話しよるんーってあの時聞くけどな」
「・・・」
「意気地なし」




くっそ!仁王の奴むかつく!殴りたい!





「名字さん、俺の事気にしちょる」
「・・・は?」
「名字さんもかわいいとこあるのぅ」
「は?ちょ、は?」





なに。何言ってんだよ仁王。
危うく食後のガムを飲み込むところだったぜぃ。仁王の事気にするとか意味わかんねえし。そもそもお前らクラスメイトってだけで他に接点ねえだろぃ。
・・・あ、俺もねえわ。
つか!どういう意味だよ!名字さんもしかして、





「・・・仁王の事が、好き、って事?」
「・・・そうは言うとらんぜよ。好きか嫌いかは知らんが俺の事気にしとるんは確かナリ」
「だーから!その気にしてんのはどういう意味の気にしてるなんだよ!」
「さあ」
「・・・」
「ブンちゃんもっかい言うけど、そんな気になるなら聞いたらよか」
「それが出来ねえから仁王に聞いてんだろぃ!」
「ブンちゃん男前とヘタレの差ありすぎるぜよ」
「うるせえ!俺はヘタレじゃねえ!」




確かに仁王はかっこいい。
100歩、いや、10000歩譲ってそれは認める。だからって、隣の席の俺じゃなくて、接点なしの詐欺師の仁王にいかなくても・・・。勝ち目ねえじゃん。





「のぅブンちゃん?勘違いしとるけど、名字さんが俺の事好いとるとは一言も言うとらんよ?」
「・・・わかんねえだろぃ」
「ただ俺の存在を気にしとるだけナリ」
「・・・それをどう違う意味に捉えたらいいんだよ」
「ブンちゃんって結構鈍感っていうか、バカやったんか」
「ああ!?」
「・・・プリッ」




あーもう拉致あかねえ!
これはもう奥の手しかねえだろぃ!










「で、俺の所まで来たという訳か。暇なんだな」
「参謀、その言い方はないぜよー」
「頼む柳!名字さんの知ってる事ぜーんぶ教えてくれ!」
「何故丸井はそんなに必死なんだ?」
「そこはノーコメントで」
「ふっ、まあ大体はわかるが」
「参謀、」
「仕方ない」
「柳さんきゅー!」
「だが、タダでは教えてやれん」
「え、金とんのか?」
「まさか。明日、赤也の英語をみるよう頼まれていたんだ」
「まさか・・・」
「二人に頼んだ」




ぽかーんとした俺を置いて柳は「では」と席を立った。




「はあ!?て、ちょ、柳!どこ行くんだよ!?」
「職員室だ」
「データは!?」
「明日、赤也の英語を見終わってから教えよう。今教えてしまったらお前達は明日行方をくらましそうだからな」
「うわあ、きったねえ・・・」




なんで俺までとか文句言ってる仁王はこの際無視だ。
赤也の奴、明日覚悟しろよ!


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