「名前先輩かーえろっ!」
「あっ赤也!迎えに来てくれたの?ありがとう」
「あれ?丸井先輩と仁王先輩は?」



鞄はあるのに本人達がいないと不思議そうにする赤也。クラスの女子達が、あ、切原くんだ〜かわいい!なんてにこにこしてる。律儀に手を振ってみせる赤也。それに対して気にしてない振りをしながら私は二人とも真田くんの呼び出し中だよと笑顔で伝えると、ああと赤也は納得した。邪魔が入らないうちに帰っちゃおうぜという事で二人で並んで教室を出る。





「赤也昨日から部活始まったんだよね?久々の幸村くん達とのテニスは楽しめた?」
「ん、楽しめた!先輩達容赦なかったけどな。つっても俺が中学の間も先輩たちと集まってテニスやってたけど」
「ふふっ、それでもみんな赤也が来るの一年間ずっと楽しみに待ってたもん。良かったね」
「名前はもうマネージャーやんねえの?」



そういえばと赤也はこちらを覗き込んだ。マネージャーやんねえのっていうか、ただ中三の時男子テニス部マネージャーの友達が風邪を引いてしまったからその時も同じクラスだった丸井と仁王に急遽無理矢理代理をさせられただけだ。それも夏合宿限定の。まあ、それがあったからこそ赤也と仲良くなってこういう関係になれたんだけど。あの頃はまだ可愛さがあって最近はたまにしか聞けない赤也独特の敬語っぽい喋り方だったな〜なんて思い返してみる。今は少し凛々しくなったかな?先輩達がいないと敬語も抜けてる。それが嬉しかったりもする。唯一大好きな笑顔は変わらない。

「名前」
「ん?」
「手繋いじゃう?」
「うん!繋いじゃう!」
「ふっ、嬉しそう」
「赤也もね!」
「ん、嬉しい」



なんだか素直な赤也に体温が上がる。ご機嫌だな〜。私もご機嫌だ。
それから部活がない日は一緒に帰ろうねって約束をした。


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