「He overslept today.」
「はあ」
「・・・赤也、はあではなく日本語に訳せ」
「ひー・・・なんスか?」
「He overslept todayだろい!」
「丸井先輩もっとゆっくり言って下さい!」
「お前もたまにするやつだろい・・・」
「Heは分かるじゃろ」
「彼!」
「次は」
「こんな単語見たことないっス!」
「・・・赤也くんtodayなら分かる?」
「toとdayだから同じ日!」
「ちげえよ!」



勉強始めて30分程しか経っていないがさっきからこの調子だ。全く進まない。柳くんの言っていたお手上げの意味がよく分かった。丸井くんはお前の頭どうなってんだよと赤也くんの頭をつんつんしている。かわいい。



「え!だってMe toで私もってなるじゃないっスか!」
「Me toではなくMe tooだ赤也。全く別物だ。あと同じ日は英語でThe same day覚えておけ」
「へ〜・・・イマイチ分かんないっス」
「頼むぜよ赤也」



柳くんがノートに書いた単語を見ながらTheって意味なんスかとか言ってる赤也くんにみんなで頭を抱えながら教えた。赤也くん授業ちゃんと受けてるのか疑問に思ってきた。






あれから2時間ほど赤也くんは教科書と睨めっこ。区切りのいい所でこの位にしとこうて事で、机に項垂れる赤也くん。



「数学も教えてもらおうと思ったんスけど気力ねえ」
「俺らもねえよバカ也」
「ふふっ、お疲れ様赤也くん」
「名前先輩は丸井先輩達と違って優しいっスね!名前先輩いて良かったっス!」
「とんでもない!むしろ私も勉強になったし得しちゃった」



いつの間にか名前呼びになっている事には触れずに、暗くなってきたしそろそろ帰ろうかとみんなで早足で校舎を出る。
門出たら丸井くんどっちだろう・・・。同じ方向がいいなと思ってたら、前を歩いていた丸井くん仁王くんと赤也くん三人は喋りながらそのまま私の家がある方向へと曲がる。やった!と思うが、私はなんと今日お母さんに頼まれた物をスーパーに買いに行かなければならない。折角一緒に帰れるチャンスだったのに残念すぎる。先に行ってしまった三人に心の中でばいばいと伝え、足を止めて三人を追いかける柳くんへと目を向ける。



「ん?どうした名字。確か同じ方向だった筈だか」
「今日はお母さんにパン買ってきてって頼まれてて、あっちのスーパーにしか売ってないらしいの・・・」
「そうか、残念だな。今日は助かった。送ってやれないが気をつけて帰れよ」
「うん、ありがとう。三人にもばいばいって伝えてくれると嬉しいな」
「伝えておこう」
「ありがとう。じゃあ、柳くんばいばい」
「ああ」



柳くんにばいばいと手を振ってスーパーへと向かう。なんで今日頼んだんだ・・・お母さんのバカ。
はあ、とため息をついて信号待ちをしていると肩をポンと叩かれた。振り向けば、鮮やかな赤色と大好きな笑顔。



「え、丸井くん!?」
「ん、振り向いたら柳しかいなくてびっくりした。ごめんな置いてっちゃって」
「え、でも丸井くんこっちじゃないよね?」
「あーなんか腹減っちゃって」



あっちにもスーパーあるしすぐ近くにコンビニもあるのになと思いながら、丸井くんの優しさに甘える事にした。隣に立つ丸井くんから優しいグリーンアップルの香りがした。



「しっかし赤也にはお手上げだな」
「それ柳くんも言ってたよ」
「柳も?柳がお手上げだったら俺らになんてもっと無理だろい」
「そうだよね!あ、丸井くん発音良かったけど英語得意なの?」
「いや、得意なのは国語と音楽」
「そうなんだ。英語も得意かと思った!仁王くんは数学だよね!」
「・・・よく知ってんな」



丸井くんと並んで歩いている事にどきどきしながらも変に思われないように会話した。さっき丸井くんに肩ぽんってされちゃったなーなんて頬が緩んでしまう。どうした?なんて丸井くんに聞かれながらも何でもないよと返してスーパーへと入る。お目当てのパンをレジに持って行き、丸井くんがいない事に気付く。丸井くんどこだ?と探すとお菓子をたくさん持って後ろへと並んでいた。


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