昨日の部活で仁王と赤也とで真田におふざけをかましたら激怒された。罰として朝から真田に喝を入れられながら走り続ける俺たち。うるせえな真田と思いながらも黙って走る俺の機嫌は最悪だ。今日は部活がないから行きたかったケーキ屋へ行こうと思っていたのに、まさか赤也の勉強を見る羽目になるとは。


「ブン太、そんな顔で走っとるとまた真田が飛んでくるぜよ」
「んー」
「なんで今日そんなやる気ないんじゃ」
「学校終わりにケーキ屋行く予定だった」
「・・・ダイエットするんじゃなかったかの」
「うるせえ」
「丸井!仁王!喋っとらんと真面目に走らんか!三人ともプラス10周だ!」
「はあ!?うわー赤也うぜえええええ!」
「ええ!?なんで俺もなんスか!?」
「とばっちりじゃ」
「文句言っとらんと真面目に走らんか!」
「へーい」


なんだそのだらしない返事はとかなんとか言っているがもっと増やされると嫌だから後は真面目に走った。走り終えた後に赤也のほっぺを抓ってやった。全部赤也の所為だ。赤也に放課後が楽しみだなと嫌な笑みを見せてから仁王と教室へと向かう。ブブッと携帯が鳴ったので開いてみると、柳から放課後楽しみにしておけというLINEが入っていた。楽しみに出来ねえよ。
朝練で疲れた後は名字さんで癒してもらおう。名字さんを一目見ただけで先程のイライラはどっかへ行った。何か話すきっかけないかなと思いながらもチラリと横を盗み見すれば、何故か難しい顔をしている名字さん。どうしたんだろうと思いながらも時間は過ぎていき、今日も話しかけれずに終わった。
号令が終わるとともに我慢していたトイレへと行ってから、赤也たちの待つ図書室へと向かった。なんで図書室?赤也んち行けばよくね?と疑問に思っていると仁王も思ったらしく、なんで今日図書室なんじゃろかと呟いていた。


「そういえば、さっきブン太がトイレ行ってる間に名字さんも誘ってみたナリ」
「・・・なんて?」
「先約があるんじゃと。残念でした」
「うるせえ」


仁王はあれからちょこちょこ名字さんと喋ってるらしい。俺も喋りてえ。前に仁王がプライドばっか気にしてたら誰かにとられるとかなんとか言っていたのを思い出す。誰かって結局誰か分かんなかったけど。もしかして仁王自身のことなんじゃと思って仁王に聞こうと思ったが、いつの間にか図書室に着いていたらしく俺はその言葉を飲み込んだ。
扉を開けてワカメを探すとすぐに見つかった。なんだ柳いるじゃんと思ってよく見ると、赤也の隣に女子がいる。面倒くさいのに捕まってんのか?と思って近寄ってみるとなんだか見たことのある後ろ姿だった。三人で会話しているらしく赤也が横を向いた時にこちらに気づき手を振ってきた。静かにしろい!


「せんぱーい!こっちス!」
「赤也うるさいのう」
「見たら分かるっつーの」


デカイ声で呼ぶ赤也を黙らせようと近寄れば、前を向いていた女子がこちらに振り返った。


「あ」
「・・・」
「え!ま、丸井くん!?」
「仁王くんもいるナリ」


びっくりした。なんで名字さんがいるんだ?ていうかどういう関係だと思っているとすかさず柳が教えてくれた。楽しみにしとけってこれの事かよ。



「へー・・・同じクラスだったのかよ」
「ん?なんだ、丸井は知って俺に頼んできたのだと思ったが」
「何をっスか?」
「なんでもねえよ。てか赤也そこどけ」



だからって本人呼んでくるか普通。いや、嬉しいけど。そんなことより、名字さんの隣に座っている赤也が気に入らず席を変わるように言う。えーとか柳先輩の横空いてますよとか言っているが無視して睨み付けると渋々席を移動した。仁王どこいった?と思ったら後ろの席から椅子を持ってきて何故か名字さんの横へと座った。俺と仁王に挟まれる名字さんを見て、柳はB組は仲良しなんだなと言った。


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