「黒ちん、痛い?」

ぐちゅり…と真っ暗な部屋の中に水音が響く。
歪んだ笑みを浮かべながらそう尋ねているのは紫原 敦。
そしてその紫原に組み敷かれている一人の少年、黒子テツヤ。
紫原の手には鋏が握られておりあろうことかその鋏は黒子の掌に刺さっている。
黒子の掌は鋏で抉られているのか真っ赤な血が溢れていた。

「あ…ぐ…っ」

クスクスと楽しそうに笑いながら紫原は掌から溢れる黒子の血を指に絡めそれを舐めた。

「黒ちんの血、美味しい…」

血の着いた指を咥え、指から掌に流れた血まで全て舐め取った。

「悪趣味、ですね…っ」

夢中で血を舐めていた紫原に黒子はそう呟いた。

「美味しい物を食べてるだけだよ?普通だし」

そう言葉を返した紫原に黒子は眉を寄せた。

つくづく悪趣味な男だ。

黒子はそう思った。
他人の血を美味しい等と言う彼は本当に狂っていると思う。
そう考えていると今度は足に痛みを感じた。

「あ!ぁぁあああ゛あ゛!!」

紫原は黒子の膝に鋏を突き立て、ずぶり。とそれを埋め込んだ。
肉を抉り、一旦鋏を抜いたかと思えばもう一度鋏を突き刺す。
それを何度も何度も繰り返した。

「可愛い、もっと声聞かせて?黒ちん…。」

「あぐ、ぅう…っ」

鋏を抜くと黒子の血がべったりと着いていて膝から流れた血は部屋の床を真っ赤に染め上げた。

「ふふ、黒ちんの血で真っ赤だねー……」

紫原は床に鋏を起き黒子の頬を両手で包み此方を向かせる。
噛み付くようなキスをした後紫原は口角を上げた。




だぁい好きだよ。
黒ちん……。





『さぁおやつの時間だ』
(真っ赤な紅茶は何の味?)






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