「うわあああ!」
「どうした!?」
「沙季殿!」
「ごごご、ゴキブリが! あそこ!」
「うわ、ほんとだ!」
「なんかで潰すか」
「つ、潰すのはだめ!」
「あ? なんでだ?」
「ゴキブリって潰した瞬間に卵産むんだって……」
「そ、そうなのでござるか!?」
「うえ……」
「すぐ殺虫剤持ってくるから、ちょっと見てて! 絶対潰さないでね!」
「沙季が何時になく行動的だね」
「褒めてんのかそれ」
「さっちゅうざいとはなんだ? 佐助」
「かけるだけで害虫が死ぬ、香炉みたいなもんらしいよ」
「取ってきた!」
「早いな!」
「どこ行った!?」
「ここだよ!」
「おら!」
「おお! 煙が!」
「うわっ! だめだ動く! だだ、誰か頼む!」
「俺様に任せなさいよっ、と」
「おお! 上手い佐助! 動き鈍ってきてる!」
「止まったな。 死んだか?」
「たぶん」
「いや、ゴキブリは簡単には死なない」
「え? 」
「前にゴキブリを掃除機で吸ったあとに、大丈夫だとは思ったけど念のために掃除機の先ビニール袋で縛っといたら、朝そこに奴が出てたことがあったんだよ……」
「うわ、まじ?」
「すげえ生命力だな」
「燃やすのが一番いいらしいけどそれするのは嫌だから、絶対出られないようにビニール袋に入れてからゴミに捨てよう」
「おお!」
「徹底してんなあ」



先日家に今年初のGが出たんです……。
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テーマ「人外ファンタジー」
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