「元親ー」
「なんだ?」
「あのさ、悪いんだけど、肩に乗せてくれない?」
「は?」


「ごめんね。あそこの電気替えたいんだけど、どう頑張っても届かなくて……」
「肩に乗るって立つほうか……あれは届かねえな。ほらよ」
「ありがと。失礼します」
「立つぞ。気をつけろよ」
「うん、いいよ」
「よっと」
「うわ! 想像以上に高い」
「大丈夫か?」
「ん、大丈夫。替えるね」
「軽いな相変わらず」
「いや私太ったんだよ……」
「全然わかんねえよ」
「よし、終わった。元親、そこのスイッチ付けてみてくれる?」
「おう」
「あれ? 点かない」
「ほんとだな」
「ちゃんと嵌まってないのかな……あ、熱っ、うわ!」
「沙季!!」
「っ、あれ……?」
「何をしている」
「も、毛利さん(お、お姫様だっこ……)」
「毛利! わ、悪ィ沙季! 大丈夫か!?」
「いや、私が勝手にバランス崩しただけだから!」
「長曾我部、貴様の仕事のはずぞ。落ちたとき支えられずに引き受けるでないわ」
「う……」
「す、すみません。ありがとうございます毛利さん」
「気をつけろ」
「は、はい。ありがとうございました」
「大丈夫か……?」
「全然平気」
「俺またアンタに怪我させるとこだったな……すまねえ」
「いや、明らかに私が動いたせいだし」
「でも支えてやれなかったのは俺だ」
「真下にいるのに落ちるの支えるのってそもそも無理じゃない?」
「無理じゃねえ」
「………」
「あー! クソ、なんで俺は……」
「……元親ってこういうとき気に病むね」
「そりゃそうだろ。女に怪我負わせたら、ましてや好……」
「す?」
「……なんでもねえ」
「とりあえず元親が悪いんじゃないって」
「………」
「うーん、じゃあ頼みごとしてなんかあったとき元親が気にするなら、これからは他の人に頼むようにするよ」
「なっ」
「え?」
「……それも嫌だ」
「ええ……」
「これからはもっと気をつけるから、俺に言えよ」
「もう十分気をつけてくれてるけどね。頼まれても面倒くさいだけじゃない?」
「そんなことねえよ。そもそも頼みごと自体アンタほとんどしねえじゃねえか」
「そう? 結構してるよ」
「してねえ。だからするときは俺に言え」
「うーん、けど元親だけに言うのも申し訳ないから他のみんなにもお願いすると思う」
「言うと思ったぜ……」
「はは、なんでそんなに頼んでほしいの?」
「……沙季はわかってねえ」
「え、なにが?」


好きな女には頼ってもらいたいのが男だろ!

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