最近学校帰りによく見かける人がいる。大学生ぐらいで右目に眼帯の彼は、最近まで見かけたことはなかった。あんなイケメン一度見たら印象に残るはずで、案の定二度目以降彼を見る度友人たちと騒いでいた私。見た目だけで騒ぐとは、我ながらなんだか女子高生っぽい。


「あの人いる!」
「あ、ほんとだ!」
「相変わらずかっこいい」


そのイケメンは、堅気には見えない男の人や彼とは逆の目に眼帯をした人、声が大きいやたらと古風な口調の人といることもあった。一緒にいる人皆が彼に負けず劣らず男前だったが私や友人の好みの顔が彼だったこともあり、専ら注目するのはその人だった。気づいていないのか、彼はがん見する私たちには目もくれない。明らかにクールそうなそのイケメンは、かっこいいけどあんまり笑わないしかなり目つき悪かった。誰といてもあんな感じなんだろうなあと思っていたのだが、その予想はあっさり砕かれることになる。


「彼女いたのか……」


私の呟きを聞いた友人たちも驚いていた。彼の隣にいたのは私たちと同じ女子高生。友達や兄妹かもしれない。そういう考えが一切吹き飛んだのは、彼の表情が普段と違ったからだ。雰囲気も表情も柔らかい。笑みを浮かべていることに、本人は気づいているのだろうか。思わず凝視してしまう。二人並んでいる後ろ姿。前を向く彼女を見下ろす横顔が優しくて、思わず感嘆の声を漏らしてしまった。


「彼女いたの残念……」
「まあいない方がおかしいけどね。でもなんかさ」
「うん、いいもの見た気がする」


彼女持ちだったのは残念だったが、皆一致で妙に納得してた。




とある女子高生視点。
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