沙季は階段を踏み外し足を挫いたことがあった。数日間家の階段を上がるのが難しく困っていた彼女。そのとき彼らは?



▼真田幸村の場合

「うーん」
「沙季殿、如何致した?」
「階段上がれないなと思って。手すり捕まってけんけんで行くか……」
「それは危のうござる!」
「でも」
「失礼致す」
「わっ」
「松葉杖もお持ち致します」
「あ、ありがとう……!」
「困っているならば当然でござる。何のこれしき」
「(これは破廉恥じゃないんだ……幸村の基準がよくわからん)」

お姫様抱っこ派。躊躇いない。



▼猿飛佐助の場合

「沙季ちゃん、自分の部屋行くの?」
「うん。なんで?」
「その足じゃ階段上がれないだろ? 運びますよ」
「えっ」
「ほい」
「わっ、ありがとう」
「ちなみに数段飛ばしで一番上行けるけど」
「え! やってみてほしい」
「はい、よっと!」
「うわあ! わ、わ、すごい!」

お姫様抱っこ派。階段に行く前から気づいてくれる。



▼伊達政宗の場合

「階段、登れねえのか?」
「うん。でも頑張れば行ける」
「Wait」
「え? わあっ」
「運んでくれって言えばいいだろ」
「そ、それは悪いなと思って……。ごめんね、ありがと」
「You're welcome」
「……もう降ろしてくれていいよ?」
「俺が降ろしたくねえ」
「え?」
「運んでほしいときは言えよ。俺に、な」
「う、うん……?」

お姫様抱っこ派。暫く降ろされない。



▼片倉小十郎の場合

「何してんだ」
「階段上がろうと思って……」
「危ねえぞ。ほら」
「え?」
「少し我慢しろよ」
「え、え!?」
「運んでやる」
「ありがとう……!」
「困ってんなら俺でも他の奴にでも言いな。誰も断ったりしねえだろ」
「そうかな……?」
「ああ。でもどうせまた一人でやろうとするんだろうな、お前は」
「ご、ごめん」
「そしたら俺もまた言うけどな」

抱っこ派。腰とか触っても厭らしくない。



▼前田慶次の場合

「よっと!」
「おわあっ! びび、びっくりした!」
「ごめんごめん。困ってるみたいだったから」
「運んでくれるの?」
「うん」
「ありがと慶次。夢吉も」
「いいえ。沙季軽いなあ。女の子だね」
「一応ね」
「良い匂いする」
「そう? 慶次の髪も良い匂いするよ」

抱っこ派。



▼長曾我部元親の場合

「沙季、なにしてんだ?」
「階段を膝で上がれるということに気づいたんだ」
「おい、スカートん中見えんぞ!」
「見ないでね」
「じゃなくて、そんな登り方すんな! アンタ落ちそうだしよ。運んでやるだろ」
「でもみんなに手伝ってもらって悪いし」
「いいって。ほら、こっち向きな」
「おわっ。ありがとう」
「気にすんなよ。あんな登り方されるよりいい」
「ねえ、わたしって制服でこの階段上がるとき紺パン見えてる?」
「……見ないようにはしてる」
「やっぱり見えてるか……」
「(実際見ちまうとは言えねえ……)」

抱っこ派。でもお姫様抱っこも両方しそう。



▼毛利元就の場合

「なにをしている」
「毛利さん。足だいぶ良くなったんで手摺捕まりながらなら普通に登れるようになったんです」
「そうか」
「は、いたっ!」
「………」
「え、なんで痛いんだ……?」
「自身の怪我の状態ぐらい把握しておけ」
「はい……。よし行ける」
「……貴様」
「はい、え!?」
「上に行くまでどれほど時間をかけるつもりぞ」
「いい、いいですよ! 重いですし!」
「痛むのであろう。落ちたいのか」
「いや、でも……!」
「五月蝿いぞ」
「あ、ありがとうございます」
「ふん」

お姫様抱っこ派。意外と運んでくれるかも。



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