「なあなあ、沙季はどんな男が好みなんだい?」

にこにこと笑う慶次。唐突に尋ねられた沙季は少し驚いた様子だった。夕食後で全員集合しているリビング故、その会話は当然皆に聞こえている。

「な、何を尋ねておられるのだ慶次殿」
「だってみんなも気になるだろ」
「ちょっとね」
「佐助!」
「旦那も聞いときなって。女心の勉強の為にね」

特に何も言わない他の四人も、興味があるないで違いはあるだろうが話は聞いているらしい。

「で、どうなの?」
「うーん、かっこいい人が好きかな」
「抽象的だね」
「随分大ざっぱな答えだな……」
「それは性格? 容姿?」
「顔が」
「顔かよ!」
「もちろん中身の方が大事だよ。でもまずは第一印象から入るでしょ?」
「まあ、そうだな」
「だからこう、見た目を結構見ちゃうのさ。かっこいいかそうでないかなら、かっこいいほうがいい」
「そういうものなのでござるな……」
「じゃあかっこいい中でもどんな顔がいいんだ?」
「そうだな……私はちょっと中性的というか、綺麗な人が好き」
「……中性的」
「あと、どっちかというと細身の人」
「それって……」
「毛利の旦那みたいな?」
「あ、そう。毛利さんみたいな」

沙季がそう言った直後、政宗と元親が急に不満そうな声を上げた。

「そ、そうなのでござるか!」
「まじかよ」
「Is it why? 理解できねえ!」
「それは個人の趣向故仕方ないであろう。騒ぐでないわ、見苦しい」
「うぜえ!」
「そっかあ。そうだったんだ」
「そうだったんです。あと幸村も、アイドルみたい」
「あ、あいどるでござるか?」
「かっこいいってこと」
「い、いや……」
「旦那顔真っ赤」
「そ、な……!」
「ねえ、俺はダメかい?」
「え、全然ダメじゃないよ。かっこいいよ」
「やった!」
「ていうか、みんなかっこいいし」
「なんだそりゃ」
「本当に思ってんのかよ」
「思ってるよー」

(さらっとこういうこと言うなコイツ……)
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -