「竜の右目、庭見てよ」
「庭? 沙季か。またぼーっとしてやがんのか」
「あれはぼーっとしてるんじゃなくて、考え事してるんだって」
「言い訳だ、そりゃ」
「ははは」
「ぼーっとしてるときのアイツは、何考えてんのかわかんねえな」
「……そうかな?」
「掴めねえところは元々あるがな」
「うん、確かにね。沙季はあんまり本心見せようとしないから」
「そうだな」
「無表情になってる」
「………」
「アレ、俺はいい傾向もあると思うけど」
「どういうことだ?」
「沙季は最初のころ、無理に笑ってることあっただろ? やっぱり気遣ってくれてたんだろうと思うよ。だからああゆう顔見せてくれるのは、俺たちに素を見せてくれるようになったってことじゃないか」
「まあ、そうだな」
「だから俺は沙季のあんなところ好きだ。笑ってた方がもっと可愛いけどね」
「確かに、そうだな」



ある日のリビングにて。
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