テレビで見た水鉄砲のCMに影響されたらしく自分たちも使ってみたいと言った彼ら。倉庫を漁ればわたしが小学生のときに買ってもらったものがでてきた。子供が両手で持つような大きくてやけにかっこいいものが三つ。


「くらいやがれ!」
「Ha! 甘ェんだよ!」
「隙あり!」
「させるか!」


それは今、政宗、元親、慶次の手にある。さっきまで政宗と幸村で争っていたが激しくなる前にと佐助と小十郎さんが止めたのだ。青年三人が水鉄砲で楽しそうにはしゃぐ姿は言っちゃなんだが面白い。みんな結構本気なのが尚更。三人とも攻撃を交わしほとんど濡れていないのは流石と言うべきか。


「あの身のこなし、政宗殿やはり強い……!」
「政宗様は何でも器用にこなすお方だ」
「おお、水鉄砲勝負からそんなことがわかるんだね」
「あのような戯れに本気になるとは。くだらぬ」
「てか洗濯物に水かかってんだけど……。沙季ちゃんいいの?」
「まあさっき干したとこだし……、良しとするよ」


庭の椅子に座り三人を見るわたしたち。不意にこちらに近づいてきたのは武器となっているそれを肩に担いだ元親だった。


「アンタはやんねえのか? 毛利」
「そのような愚劣な行為、我はせぬわ」
「楽しいぜ」
「くだらぬ」
「やってみてから言うんだ、よっ」


元親の持つ水鉄砲から出た水は直撃した。毛利さんの顔に。


「も、毛利さ……!」
「やる気になったか?」


伝う水を顎から落とす毛利さん。元親はけらけらと笑う。おもむろに立ち上がった毛利さんは座っていた椅子を蹴り飛ばした。


「貴様ァ!」
「うわ、毛利の兄さんキレた!」
「どど、どうしよう……!」
「かかってこい毛利!」


元親が毛利さんに水鉄砲を向ける。何で応戦するのかと嫌にはらはらした気持ちで目を向けた毛利さんの手にいつの間にやら握られていたのは、蛇口に繋がる青いホース。


「それ使うの!?」
「死ね長曾我部!」
「うおわ! あぶね!」
「え、うわあ!」
「ああ! 沙季!」
「毛利テメェどこ向けてんだ!」
「悪いのは避ける長曾我部ぞ!」
「わ、わりィ沙季!」
「だだ、大丈夫でござるか沙季殿!?」
「だ、だいじょう、ぶっ!?」
「ぬおわ!?」
「あーあー旦那」
「わ、わりィ野郎共!」
「野郎じゃなくて沙季にかかってるよ元親!」
「ね、狙われてる……?」
「ち、ちげェんだ!」
「貴様何故あたらぬ!」
「わわ!」
「沙季ちゃん!」
「Shit! テメェ!」
「窓! 窓しめて! 中濡れる!」
「誰か毛利の兄さん止めて!」
「ホース置きな!」
「貴様らごときに我は止められぬわ」
「沙季、毛利に水かけろ!」
「ええ!? む、無理だよ!」
「かけられたんだからいいだろ」
「はいバケツ!」
「ええ!」
「いけ!」
「う……!」
「ほう、やるのか……?」
「しし、しませんよそんなこと!」
「諦め早ぇな!」


元就に睨まれ顔を蒼くする沙季が放り投げたバケツは、上手い具合に幸村たちの方へと飛んで行く。


「のわ!」
「ぶっ!」
「あれ!?」
「……沙季」
「うわあ! ごご、ごめ、ふっ、は、はは!」
「いや、笑ってるし!」
「悪いと思ってねえだろ! おら!」
「も、元親殿!」
「あはは! 沙季が頭から水かぶったあ!」
「な、なにするの元親!」
「沙季の反撃だ!」
「アンタらだけで楽しんでんじゃねえ、よ!」
「な、何故某にかけるのだ!」
「俺も混ぜてよっと!」
「五月蠅いぞ貴様ら!」
「ホースはやめろっつの!」


この水のかけあいが終わる頃には全員びしょびしょになってました。




やたらハイテンション^▽^
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -