※品がない、オチもない


「なあ」
「ん？」
「好きってなんだ？」
「は？」
「"好き"ってわかんなくねえ？ あ、loveの方な。何をもって"好き"なんだ」
「なんだ急にその質問」
「うーん、でもそれ私も思うよ」
「アンタもかよ」
「な、わかんねえよな。誰か教えてくれ」
「こういうのはやっぱり前田先輩に聞くべきかな」
「あのお祭男か」
「恋愛のスペシャリスト前田先輩」
「今日慶次来てねえぞ」
「えー」
「サボリだろうな。てかなんで同学年なのに先輩？」
「"好き"ってあれじゃねの？」
「お、なに政宗」
「厭らしいことしたいかそうでないかっつう」
「アンタそういのばっかだなあ」
「うわあ、やだ！」
「はあ？ じゃあそれ以外になにがあんだよ」
「そもそもそういう考えがおかしい」
「じゃあアンタ好きなやつとそういうのできなかったらどうすんだ？ なんもなくていいのかよ！」
「うん、いいよ別に」
「嘘だな！」
「なんでよ！」
「好きだったら絶対したくなるだろ！」
「好きだったら一緒にいるだけで良いもんじゃないの！？」
「うわ、純愛気取ってやがんな」
「それが普通じゃないの……」
「まあ恋愛の理想だよな、それ」
「つうかなまえの意見さ、好きじゃない奴とでも別にそういうことできるってことか」
「え、なんでそうなんの？」
「好きな奴ともしないなら、逆を言えば誰とでもいいってことだろ！」
「うわ、なまえチャラ！」
「なんで元親！ 違うし！」
「できないやつと付き合うと、絶対身体だけのお友達ができるぞ」
「それ政宗でしょ。私は違うからね！」
「絶対嘘だな！」
「なんなのもう……！」
「で、"好き"の基準はそれにすんのか？」
「違う。厭らしいことするかしないかが基準なんて納得できない」
「じゃあなんだよ」
「ずばりちゅーがしたいかしたくないか」
「ああ」
「おお、なるほど」
「どう！？ 私のこの意見」
「いい基準な気がする」
「そういや俺そういうことするときもあんまkissはしねえや」
「それは本当にその人を好きになれてないからだよ。ほら、愛がないね」
「うぜ……」
「私は元親も政宗も好きだけど、ちゅーできるかって聞かれたらちょっと無理だもん」
「確かに」
「俺もできねえな」
「ちゅーで恋愛の好きか友情の好きかの違いがわかるね」
「じゃあなまえ」
「なに？」
「俺たちとkissはできなくてもそれ以上ならできるってことか？」
「なんでそうなるんだ？」
「もう政宗おかしい」