綺麗なものが好き。きらきらしているものには心惹かれる。ずっと見ていたいと思う。汚いものは好きじゃない。それが近くにあるとどうしようもなく不快になる。私の近くにあるならば、全て除外しなければ気がすまない。それは人も同じ。私の傍には、眉目麗しい人間しかいてほしくない。


「だから元就は私の傍にいていいの」


元就が手元の本に滑らしていた視線を上げる。だがそれも一瞬で、目の向きはまた本に戻っていった。綺麗な元就。顔も髪も、身体の中心から爪の先まで文句無しに美しい。一目見たときから、私の傍に置いておくに相応しい人間だと思った。


「元親や幸村も綺麗だけど、元就が一番綺麗」


だから元就が一番好き。本心からなる私の言葉に彼は何も返さない。瞳を覆うように一瞬伏せられた白い瞼だけが、元就の僅かな反応として示されていた。



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