「元親」

「何すか？」

「これ貸してほしいんだけど、ダメ？」

「それはダメっす」

「えーお願い」

「……ダメ」

「何でもお礼するから、ね？」

「……ちょっとの間だけっすよ」

「ありがとう！」

「（何でもっていうのに釣られちまった……）」

「あ、元親すごい汗かいてるね」

「ああ、さっきまで外にいたんで」

「冷房ついてると風邪ひくし、脱いだ方がいいよ」

「別にいいっすよ」

「だってびしょびしょだし。ほら脱いで」

「平気っす」

「脱がないなら脱がすよ」

「は！？ ちょ、やめてくださいよ！」

「何恥ずかしがってんの」

「べ、別に恥ずかしがってねえよ！」

「タメ口かい。そう言う割に顔真っ赤だし」

「ちょ、い、いいですって！」

「いいからいいから、ほら！」

「ぎゃあ！」

「おお、相変わらず逞しい身体してるね」

「何するんすか！ ち、近い近い！」

「何照れてんの。別に襲ったりする訳じゃないじゃん」

「お、おそ……！？」

「なに、やってほしいの？」

「は！？ そそ、そんな訳ないでしょ！」

「（顔真っ赤……）」