季節はずれの風邪 「えぇっ!?あの永四郎が風邪ひいたの!?」 いつもは教室に必ずと言っていいほど時間通りにいるはずの永四郎が見当たらないなと思い、甲斐君達に永四郎のことをきいた矢先だった。 まさかそんなことになっていたとは… 「おうよ。朝練ん時もいなくてそしたら永四郎今日は風邪で休みらしいさー」 「な、なんと…あの永四郎が風邪ひくなんて…明日雪でも降るんじゃ…ここ沖縄なのに」 「まぁ永四郎も一応人の子やっし、風邪のひとつやふたつひくだろ」 「…やったー、永四郎のことぬーがとうむってからるんだしよ…」(…お前ら、永四郎のことなんだと思ってるんだよ…) 放課後、私はやっぱり永四郎のことが気になるので、永四郎の家にお見舞いに行くことにした。 甲斐君達は部活があったから来れなかったけど、永四郎にお大事にと伝えといてくれと言われた。 なんだかんだ言いつつも、みんな永四郎のこと慕ってるんだなぁって感じた。 家に着いたらまず永四郎のお母さんにあいさつをして、永四郎がいる部屋に向かう。 「おーいえーしろー…ってあれ」 私が部屋をのぞくと、目の前に布団のかたまりがいた。もぞもぞしている。 「…え、永四郎?その中にいるのは永四郎でいいのかな?」 「…なんで来たんですか。名前…」 どうやら本当に中身は永四郎みたいだ。風邪のせいで声がかすれていたけど、すぐに分かる。 「なんでって、お見舞いに来たからに決まってるじゃない。てか、そんなことしてないで出て来てよ。」 「いやです」 「なんで」 「…こんな情けない姿、あなたに見せられないでしょう」 「何言ってるの。永四郎だって一応人間なんだから風邪のひとつくらいひくでしょうに」 「一応ってなんですか。俺は立派な人間ですよ」 「はいはいごめんなさいね。 …でも、私だって」 「…?」 私が急にひ弱な声を出して不思議に思ったからか、永四郎は少しだけ布団を私をめくり私を見つめた。 「私だって、その…永四郎の彼女、なんだからさ…辛い時は、私にも頼ってよ。」 「……」 今とてつもなく恥ずかしいことを言ってしまったような気がする。 自分の顔が一気に熱くなるのが分かった。自分でもらしくもないことを言ってしまったことも。 永四郎の顔は見えないから分からないけど、呆れられちゃったかな。 「…情けない姿でも、ですか?」 永四郎が布団から出てむくりと顔を出した。 いつもの彼と違って威勢がないというか、どこか表情も弱々しい。 けど、顔が見れて安心した。 「…永四郎、やっと顔出してくれたね」 「…こんな風に、情けない俺でも、それでもあなたは…」 「もう。何度も同じこと言わせるなんて永四郎らしくないぞ。私はどんな永四郎だって好きだよ。だから、大丈夫」 「…ありがとう。名前」 永四郎の手をギュッと握る。永四郎も軽く握り返してくれた。 「…俺は、幸せ者、なんですね…」 「…私も、幸せだよ」 (そういえば、甲斐君達が永四郎にお大事にって伝えてくれって言ってたよ) (そうですか。それは彼らにもずいぶん迷惑をかけましたね。) (ふふっ。あ、そうだ。お見舞いにゴーヤチップス持って来たんだけど、食べる?) (…いただきます) 【End】 〜あとがき〜 むつのちゃんへまず最初に一言…えらく遅くなって本っっ当にすいませんでした…!!!改めて永四郎って思ったより難しいんだということを痛感しやした…!!精進したいと思います!!相互ありがとうございました!これからもよろしくお願いします!(*´ω`*)ノ *** Zexoちゃんから相互記念文いただきました!木手さんリクエストでした! いやあ…やはり木手さんはイイですね。そしてうちなーぐちはイイ!たまらんです。 こちらこそこれからもよろしくお願いしますー! ×
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