部活が終わった後、苗字さんと一緒に帰る。
付き合ってまだ数日やけど、知らんうちにこれが当たり前のことになった。
それが未だ夢ちゃうかと不安になることもある。


「本当にすごかったよ!」
「ほ、ほんまに?」
「うん!感動して見とれちゃったもん!」


そう言うと苗字さんは目をキラキラさせて俺を見上げた。
なんちゅうか、その顔が可愛すぎて直視出来ん。


「あれ位テニス出来たら楽しいだろうなぁ」
「やったら、今度俺と一緒にテニスしてみん?」
「え?」


苗字さんと付き合ってからというもの、俺はかなり積極的になったと思う。
今までやったら絶対に自分から誘うなんて絶対にせんかった。
それは私生活にも出とるようで、部長に変わったと言われる位や。


「今度の土曜、部活ないねん。苗字さんが良かったらやけど…」
「ううん!私こそ財前くんが良いならお願いしたいな」


そう言って子どもみたいに笑って俺を見上げる。
あかんあかんあかん。
ほんまに可愛すぎて心臓壊れる。


「あ、でも私テニス一回もしたことないけど大丈夫かな…」
「俺が優しく教えたるから安心してええよ」
「うん。よろしくね!」


今日の部活は苗字さん来とるからいつも以上に動いて疲れとったけど、こんな可愛い笑顔見せられたら疲れが全部吹きとんだわ。

20130316