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久しぶりに会った梵天丸くんはすっかり人間になっていて、二本足で歩けるしそれなりの言葉も喋れるようになってた。
イコール私も同じことが出来るぐらいに成長していた。

そしてこれまた久しぶりに会った姉と梵天丸くんと一緒に紅葉が散らばる木々の通りを歩いている。
一歩踏み出すたびに乾いた葉が折れる音が響く。
昔から、私はこの音がたまらなく好きだった。

梵天丸くんと手を繋ぎ秋の道を歩く。
途中で石に躓いて転んだり、虫が顔について大騒ぎもしたけれど楽しかったのには間違いがない。


今日は久しぶりという事もあり、梵天丸くんのおうちに泊まるようだ。
兄は用事があるという理由でいないけれど、姉がいるから良しとしよう。
梵天丸くんと二人で遊ぶのは疲れるけれど楽しい。
やっぱり年齢関係なく、相手がいるというのはいいなぁと改めて感じた。

夜ご飯を食べて(凄く豪華だった)、湯浴びを終え(梵天丸くんと一緒でした)(いや、いつも兄と一緒だしいいんだけど…なんか複雑)、相変わらずワイワイと騒いでいると急に眠気が襲ってきた。
ふわぁ、と欠伸をするとそれに感染してしまったかのように続けて梵天丸くんも欠伸をした。


「今日はたくさん遊んだから疲れたんですね」


姉はそう言って私と梵天丸くんの頭を撫ぜた。
それから三人で仲よく布団に付きました。

愛の揺り籠で眠る
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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