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という訳で姉が梵天丸くんの乳母として働きに行ったから、私の世話は兄がすることになった。
離乳食になったとは言え、自分ではまだ食べれないから食べさせてもらっているんだけど、何というか、息が合わない。
あー、と口を開けてる時に食べさせてくれればいいのに口を閉じてるときに無理矢理入れようとするから思わず咳込んでしまう。

そう考えたら、姉はやっぱり凄い。
いや、たかがまだ10とちょっとの男の子に上手くやれよ!と言うのが間違っているのかもしれないけれど。


「やーあ!」
「名前、我儘言わずに食え」


いや、食えって言われてもそれ湯気出てるじゃん!しかもさっき唇に当たったとき、すっごい熱かったけど!確実に口の中火傷するパターンだよ!と思っている最中にもそれは口の中に無理矢理入れられた。
口内にじわじわと熱が侵食してくる。
それをずっと口の中に入れとくことも出来なければ、飲み込むことも出来なくて思わず吐いてしまう。


「あ゛ー!あ゛ぁー!」
「名前・・・。あっつ!」


口の中から零れたそれを指で拭うと兄は声を上げた。ほら、熱いだろう。
すると兄は泣いてる私を抱え上げて「ごめん、熱かったな」と謝りながら頭を撫ぜた。

これみよがしに毒舌
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テーマ「人外ファンタジー」
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