ねぇ、ユウジ
そう言って俺を呼ぶ声は溶けてしまいそうなぐらいに甘ったるく、胸焼けしてしまうのではないかと思うぐらいだ。
ベッドシーツに埋もれる名前の華奢で白い体。指一本触れたら壊れてしまうのではないかと錯覚してしまう。


桃色のふっくらとした唇をぺろりと味わってから、ワンピースのボタンに手をかける。
名前がワンピースを好んで着ているのは、初デートの日に可愛いとベタ褒めをしたからだと俺は知っている。

乱れた裾から見える白い太もも。ごくり、思わず生唾を飲み込む。
我慢出来ずにボタンに掛けていた手を離し、太ももに触れれば小さな喘ぎが聞こえた。
俺は太ももに何度か唇を落とした後、ぺろりと舐めあげれば「んっ、ユウジ……ひぁっ」普段よりもワントーン高い声で俺の名前を呼んだ。


「なぁ、さっきから足もじもじしとるけど、どうしたん?」
「ユ、ジ、」
「ん?」
「あっ、ん…舐めちゃ、ッ…」


普段気が強くて意地っ張りな名前だけれど、この時だけまるで甘えたの猫のようになる。
普段から比べる相手がいないぐらいに可愛いけれど、更に可愛さ倍増。
頬を桃色に染め、目を涙で潤ませたこんな姿、これから一生永遠に俺以外に見せたくない。
見せるつもりも、無い。

沸き上がる独占欲は愛の大きさ故。
傷一つない綺麗な太ももに歯を立て勢いよく吸えば、名前は小さく声にならない声を上げながら、太ももに収まる俺の頭を両手でギュウと押した。


「跡付けたった」
「…痛かった」
「俺の愛の塊や」


そう言って俺は名前の顔の横に両手を置き、覆いかぶさるような体制になった。
名前の瞳からは痛み故か恥ずかしさ故か、頬に涙が零れ落ちていた。
それがまた愛しく感じ、頬に唇を落としながらゆっくりと残りのボタンを外していく。








「っちゅー夢見たから朝から抜いてきたわ!」
「死ねよ」

20120319