なぁ、今日は名前からキスしてや

ユウジはそう言うと、私を自分の太ももの上に乗せた。
私は何も言わず、ただジッと目線の上にあるユウジの顔を見ていると「誘っとるん?」と言われた。

正直な話、今日の私は異様に体が火照っている。
理由は分かってる。あと数日で生理が始まるからだ。
ホルモンのバランスが崩れるのだから仕方ないと分かっているけれど、今日にかぎって短いスカートを履き、ユウジのジーパンの感触が太ももに伝わってくる。
それにユウジがお尻辺りを優しく撫でるから、余計に変な感じがする。


「あかん?」


口を尖らせ、まるで甘えん坊のような声を出し私を見た。
それがあまりにも可愛くて、ユウジの頭に手を伸ばし自分の元へと引き寄せ、優しく唇を落とす。
ちゅ、ちゅ、と数回キスをした後ユウジの顔を見れば、ほんのりと頬が赤く染まっている。


「めっちゃ可愛い」


私がそう言うとユウジは何か言いたそうに口を開いたけれど、私はその隙に舌を滑り込ませる。
お互いの唾液が混じる音が静かな部屋に響き、ユウジの鼻から抜ける甘ったるい声が聞こえてくる。
離れる前にユウジの唇をぺろりと舐めれば、「っ、名前」と掠れた声で私の名前を呼んだ。


「どうしたん?今日、えらい積極的やん」
「ん、イヤ?」
「嫌な訳ないやん」


そう言ったユウジの瞳は涙で濡れ、とろんと垂れていた。
それがまた一段と可愛くて、胸がきゅんとなる。
桃色に染まった頬に手を滑らせ、首筋を舐め上げれば普段あまり聞く事が無いユウジの小さな喘ぎ声が脳を揺らす。

体勢を少し直そうと思い、腰と腰を合わせれば何か固いものが下着越しに伝わった。
あ、と思ってユウジを見れば、下唇を噛み顔を真っ赤に染め上げていた。


「ユウくぅ〜ん。ここ、どうしちゃったん?んー?」
「…お前のせいやろ」


ユウジはそう言ったかと思えば、ベッドに私を押し倒した。
ギシリとスプリングが鳴る。


「よう考えたら、もうちょいで生理やろ」
「うん。ふふふ」
「ふふふちゃうわボケ。ちゃんと責任取れよ」


そう言いながらスカートの捲れた私の太ももを、ユウジの指が滑っていく。
優しくしてね、なんて言えば、無理とだけ呟いて、私の胸にユウジの掌が落ちてきた。

20121025

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