2013年年賀企画


「これプレゼント」
「プレゼント?私誕生日じゃないよ?」
「うん、知ってる」


精市くんはそう言うと、青色のマフラーを私の首に巻きつけた。
ふわふわしててとても暖かい。
けれど、なんで突然?と思い聞いてみる。


「なんとなくだよ」
「なんとなくでくれるようなものなの?」
「自分の彼女に尽くしたいと思うのは普通だろ?」
「普通…なのかな?」
「普通だよ」


とても似合ってる。精市くんはそう言いながら、マフラーから零れた私の髪の毛に触れた。
そしてとても自然な仕草で、ゆっくりと優しく唇を落とした。


「…顔真っ赤」
「だって…びっくりしたんだもん」
「可愛い」
「もう、ばか」
「ばかでいいよ」


綺麗に微笑みながら、精市くんはマフラーに触れた。
その仕草すら綺麗だなんて、神様は本当にいじわるだ。


「…あ」
「ん?」
「この色、精市くんの髪色と一緒なんだね」
「あぁ…うん」
「なんだか精市くんに抱きしめられるみたいだね」


私はただ思った事を言っただけだったのだけれど、精市くんの顔がゆっくりと赤くなっていく。
どうしたの?と聞いてみるけれど、精市くんは口を手で押さえたままで何も言ってくれない。


「精市くん?」
「…どれだけ惚れさせれば満足するの」
「え?なんて?」
「なんでもないよ」


精市くんが何か言ったのは確かだけれど、口はだいぶ上にあるし、しかも押さえているから上手く聞き取れなかった。
聞きなおしたけれど、精市くんは相変わらず顔を赤くしたままで話を反らしてしまった。

20130405

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