p.s.

 黒田さん、想像以上にいいひとでした。悪者にはなりきれない彼がとても好きです。がんばりや悪巧みが報われず、空回っちゃう感じがすごくかわいい。憎めない。応援したくなります。
 不運なのもそうですが、とにかく、黒田は周りの「人」に恵まれないな、と思いました。大谷さんを初め、毛利に石田と、こればっかりはなんというか、ちょっと可哀想になります。いや、彼らが悪いわけではなく、そのなかでの人間関係が、という意味で。
 黒田軍の兵たちからは慕われているので、一定の人望はあるはずなのに、こう、極端なんですよね。野望だだ漏れだからかね。

 黒田軍のモブの科白にはいつもほっこり和まされました。「枷を外した官兵衛さんを見てみたいなあ」とか「官兵衛さんは文武両道、顔もまあ、渋いしな」とか。黒田の野望の外側にある、芯の部分の人柄を垣間見られるのがとてもいいな、と。
 黒田本人の汎用科白も飄々していていたりするのだけど、どこかかわいいですよね。出陣時の開始モーションや挑発で鉄球に座ったりするのも、手が纏められているせいか大きな身体なのに小動物みたいな感じがあります。森のくまさんみたいな。

 大谷さんや毛利との会話も、なんというか本当に面白かったです。黒田には悪いと思いつつ笑ってしまう場面が多々ありました。本人にとってはとても深刻で真面目なのもわかるのですが、科白回しがあんまり巧みなので。彼らに限らず、バサラはそういう笑いどころがたくさんあって大好きです。

 あとは、黒田が四国壊滅のときのことを本当に根にもっていてくれて、それだけで長曾我部は救われるなあと思ったりもしました。もちろん、非道いことに変わりはないのですが、自分の身がいちばんかわいい、っていう黒田の気持ちも理解できるものだし、またそういうしたたかな部分が戦国に生きるひとらしいな、とも思います。とても好きです。
 島津との絡みも、いかにも武人同士、みたいな感じがすごくよかったです。こういうひとがもっと以前から黒田の周りにいたならよかったのになあ、と思ってしまいます。

 鍵こそ取り返せなかったものの、最後は毛利も大谷さんも撃破して、関ヶ原に割って入って天下統一。すっきりするストーリーだったと思います。二週目はどんな黒田が見られるのか楽しみです。
 つぎは散々黒田を手駒にしていた大谷さんをやっていこうと思います。

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