p.s.

 それでも、前田は本気で雑賀に惚れているのか、って云ったらたぶん最初は雑賀のことばどおり、自覚あるなしに関わらず、逃げの口実に過ぎなかったのだろうな、と、思います。と云うのも、やっぱり寧々と豊臣のことは前田のなかでとても大きなものだろうし、そう簡単に割りきれるものではないことも、今回のドラマ絵巻でよくわかります。
 寧々がいまでも好きで、というわけではないにしても、誰かをこころから愛せるような状態ではないような気がするわけです。

 けれども、そうして雑賀を追っていって、彼女を守ると、それが自分のなさねばならない使命(あるいは重ね見た寧々への罪滅ぼし)とでも云うように戦って、そのうちに、偽りの気持ちはたしかに本物へと変わったのだろうな、なんて思います。というより、そうだったらいいな、と。
 前田にとって雑賀は、最初こそ逃げるための理由であったものの、同時に、前へと進むための指針で、本当に必要な存在なのかもしれません。

 いいかげんでふらふらっとしているように見える前田と、芯の真っ直ぐ通ってぶれない雑賀は、まったく対称的で、だからこそ相性がいいのかな、と思いました。

 あとは、徳川とのことで和解するお話がみたいです。いつも明るくて、成せばなる、って思っていそうな前田を、ひどく悩ませてしまうひと。会うのは嫌だなあ、って云わせてしまうひと。
 徳川と前田は、豊臣のことを抜きにしたら本当によい友だちになれるはずなのに、ふたりの間の、豊臣への認識・記憶が、そうさせない、というのはなんとも切ないです。

 前田は持ち前の明るさで、本音をくるんと包み隠してしまうけれど、嘘をつくのは下手なのですよね。だから、それを悟ってしまう側の徳川も悲しいというか、痛々しいというか。
 悩み苦しむふたりを見ているのも、プレイヤーという傍観者的立場から見ると、もどかしいながらも非常に美味しくはありますが、やっぱりふたりが好きなので、しあわせに笑う彼らも見たいものです。

 さて、青ルートも大変気になりますが、その前につぎは雑賀をプレイしようと思います。

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