ギミック少年 | ナノ


ハラワタが煮え繰り返るとはこういう気持ちのことを言うのだなと実感している。むしろ今僕のハラワタは煮え繰りすぎて口から飛び出てしまうんじゃないかというくらい最高に煮え繰り返って返りまくっている。何に?ってそんなのしるか。何もかも何もかもにただただ腹が立つんだ。殺したい。誰をとかもうそんなのどうでもいい。死ね。死んじまえ。何もかも死ねばいい。世界なんて滅びちまえよ。今すぐ。なあ。とりあえず訳の分からない奇声を上げながら側に在ったタンスをひっくり返して本棚を蹴り飛ばしてイスを振り回してみるとその光景はまるでスローモーションのように僕の目に映る。倒れてゆくタンスやらCDやら漫画やらシャーペンやら服やらゴミ箱やらアイポッドやら充電器やらが宙に浮いて浮いてゆらりと回転しながらそれはそれはゆっくりと落ちて行くのだ。瞬きをしたら同時にガシャーングシャガンガシャと大きな音がして床の上で無残な姿になっていた。それでもなんだか治まらなくてすぐ僕の右側にあったクローゼットのスライドのドアを思い切り力を込めて蹴り飛ばしたらガアン!とひどい音がして穴が開いた。足首が少しだけ切れた。痛みは無い。しんと静まり返った部屋には僕の荒れた呼吸が?けに響いてそこで僕は少しだけ冷静さを取り戻す。はあ。ゆっくり深呼吸。辺りを見渡してまるで地面がひっくり返ったかのような有様を見てだらしなくそこに全身の力が抜けたかのようにがくりと崩れるのだ。足首がいた、い。ああもう僕のハラワタは再起不能なくらいに煮え繰り返ってしまっただろうね、きっと。てゆーかハラワタってなんなんだ。どの辺にあんのかなやっぱ腹かなとかもうどーでもいいや。そしてなんとなく苦笑。

ギミック少年


(20070914) title:不在証明


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