君の泣き顔 | ナノ

名前は生まれつき病弱で小さい頃から入退院を繰り返していたやつだった。過度な喘息が持病なおかけで小、中の体育は全部見学。外出をしない為に肌は白く、まさに儚いという言葉が似合っていた。

「手術……?」
「うーん、らしい」

彼女の口から出た言葉に一瞬だけ耳を疑う。大げさだよねー、なんて笑う名前になんて返していいかわからなかった。腕にはまた入院をしたのだろう点滴の後を隠す様にガーゼが貼ってあって、オレは胸が締め付けられる思いでいっぱいになった。自分の体が他の人より丈夫じゃないくせに、それをあっけらかんと他の人に話す。今だって笑って話してやがるし。人の気も知らないでこいつ……。

「お前何でそんな笑ってんだよ」
「…なんでだろー」
「手術ってことはなぁ…」
「あーもー青峰暑苦しっ!」

やめやめ!まるでおばさんの様に手首を上下に動かす動作をした名前。時にはその明るさが人を傷つけているとも知らずに。「…手術って、いつだよ」「えー?分かんない」どこまでも明るくて、本当にそこが抜ける位あかるくて。何でこんなやつが満足に皆と遊べないんだろう。どうして対等に騒げないんだろう。もし、手術が失敗したら自分がどうなるか考えたりしないのだろうか。もしかしたら、あえて考えていないのかもしれない。

「…知…ってる…?」
「…何をだよ」
「あたし…ね…」
「おう」
「病院…が…アメリカ…なんっだって……さ」
「…おう」
「来月には…行くの…っ」
「……おう」
「っ…また会おうね……?」
「当たり前だ、バカ」

だから、このときこいつが流した涙をオレは一生忘れないと思う。


*


失明様の二万打に参加させていただきました!毎度毎度ずうずうしく参加させて頂き
本当にありがとうございます!このお話を読んで、愛岸はますます青峰に惚れました。
大好きだよ!エロぼーや((
ちなみにゲッカビジンは花言葉で儚い美という意味だそうです。(失明様から)
せあ様、この度は本当にありがとうございます!



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